後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第433回 社会を動かす選挙と試験のパワー
2017-07-06
選挙やペーパーテストによる〝人選び〟のこの社会、通る正義も通らない正義もある。
今回の都議選は邪な買収や忖度等を封じた中で、小池都知事勢が歴史的勝ちを収めた。
小池勢は都民ファースト、公明、追加公認を含め過半数の六四を上回る七九議席を得た。
応援の安倍総理、「帰れコール」に「こんな人たちに負けるわけには行かない」と捨てゼリフ。
自民党の二階幹事長もマスコミの痛い指摘に「落とすなら落としてみろ。マスコミだけが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」と啖呵を切った。
大間違いだった。嫌と言うほど負かされた。
告示前の五七議席が二三議席に減った。安倍総理らのおごりに都民が鉄槌、正義が通った形だ。
小池都知事は政党代表を辞めて知事職に専念するという。
学閥はある。官僚キャリアの国家試験、ペーパーテストなら東大脳だ。
合格総数一八七八人で、東大三七二人。以下京大一八二人、早大一二三人、阪大八三人、北大八二人、慶大七九人、東北大七二人、九大六七人、中大五一人、一橋四九人。
前年比、東大は五一人の減で、九州、一橋は増えている。
「官僚はダメでも大企業があるさ」。東大生には「幼少からの勉強疲れが出ている」との声も。
判事、検事、弁護士の司法試験は同じペーパーテストでも戦国の様相だ。
平成二七年合格者のトップ5は、中大一七○人、慶大一五八人、東大一四九人、早大一四五人、京大一二八人だった。
そうかと思うと平成二八年は慶大一五五人、早大一五二人、東大一三七人、中大一三六人、阪大一一九人で、京大はついに圏外へ・・。
一五年一月現在、衆参国会議員のトップ5は東大一五五人、慶大八七人、早大七九人、中大三一人、京大三○人だ。
主権在民の今、国民に選ばれた政治家が憲法上一番えらい。
政治家の汚職捜査は東京地検検事が当たるが、総理ら大物政治家が逮捕されそうになると「捜査やめよ」と法相が介入、事件は闇に葬られる。
試験で地位を得た検事の正義、選挙を経た政治家に通じないこの矛盾。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

