後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第442回 LAの余暇を楽しむ将棋師たち
2017-09-07
人生の楽しみ方は人それぞれだ。
羽生、谷川の海外竜王戦がLAで開催された一九九六年、日本将棋連盟LA支部を結成以来、老若二〇余人が集い将棋を楽しんでいる。
主要会員の約一〇人は四、五段の猛者揃い。
この日の会場は全米将棋支部連合会会長の四段、マーク大野さん経営の会社会議室だった。
かつて五大商社と言われた大倉商事の米国社長として来米したが、不運に襲われた。
親会社の倒産だった。苦労の末、マーク・スチール・インタナショナルを創業、油田ガス田掘削パイプ、鉄製丸パイプ等の輸入販売に従事している。
野村証券を五年で辞めた長老のマック伊藤さんも四段の腕前だ。
自由の気を吸いに米国に飛び、日本人向け視察・ツアーのガイドや通訳等を手掛けてきた。
東大文学部出の読書家で、ピューリツアー賞受賞の「敗北を抱きしめて」(ジョン・ダワー著)を愛読書の第一に挙げる。
読書会「いざよい会」を主宰、読書と将棋を日々楽しんでいる。
同じ四段のアンデイ松本さんは全米で二人の公認海外指導員で、日本将棋連盟の免状授与を委任されている。
敏腕ビジネスマンで、人が好き。共通の友人知人が財産で、助けを求めれば誰かが手を差し伸べる理想の人間関係を築いている。
カラオケで最初に歌うと座が白けるほどの歌唱力で、いつも最後に歌わされている。
富田桂次さんは五段の実力者ゆえ会員に一目置かれている。
十月二八、九の両日北九州市で開かれる国際将棋フォーラムに米国代表として招待されている。
将棋がテーマの映画制作にアドバイザーの要請も来ている。日本食レストランのマネジャーで、ギターインストラクターという肩書を持つ。
二輪車のアクセサリー等を扱う店の主人、、岩崎努さんもギター愛で青春の炎を燃やした組だ。
ロックギター奏者を一時、目指したが競争は激烈だった。「将棋は二段程度」と謙遜するが、仲間内の評価は四段レベルで人柄もいい。
全米五支部(NY・LA・ CHI・PHILY・SF)が息を揃え、将棋をメジャーにするのが全員の夢だ。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。