今月の庭仕事
Lesson 193 チューリップの植え方
2017-09-06
チューリップは新しい春を感じさせる代表的な花です。その魅力は蕾が花になるまで膨らんでいく過程でしょう。もうすぐ量販店で袋に入って出回るので、それを植え付けます。ロサンゼルスでは暑い日が続くこともあるので、暑さが通り過ぎてから植えるのが安全でしょう。場所にもよりますが11月頃が最適かもしれません。1月頃に植えると開花に必要な温度になるまでの期間が短く、花が小さくなる傾向があります。
植える場所は日中に暑くなる所を避け、水はけが良い所が必要です。植える深さは球根の大体3倍くらいが標準ですが、これは水はけの良い土壌に植える場合です。粘土質で水はけが悪い所では少し浅く植えるか、土に多くの堆肥など土壌改良材を入れたり、盛り土をして排水の良い状態を作り出したりしてから植えます。基肥として茎を丈夫に育てる骨粉(bone meal) などを与えましょう。球根には1シーズンを維持するだけの養分が備わっています。栄養分の不足が見られる場合は水やりや雨など、そして少量のバランスのとれた肥料で補いましょう。
チューリップなどの秋植えの球根は冬の寒さを経験させたほうがよく咲きます。そこで植える前に、凍る心配のない冷蔵庫の野菜室に30日〜40日間ほど寒さを経験させてから植えるといいでしょう。店で買う時に、この作業が必要かどうか必ず尋ねてください。
2、3日で花が終わり、しばらくそのままで置いておくと葉が黄色くなります。通常はこの時期に掘り上げて涼しい所に保管して次の年の球根にしますが、南カリフォルニアでは開花した後にすぐに暑くなるので、葉が栄養分を作って球根に送る時間が短く球根の生育が思わしくありません。加えて冬の寒さが弱く寒い時間も短いので、翌年のための花芽の分化が十分でありません。このため、南カリフォルニアでは球根を買って植えたほうが手間が省けて、安上がりでしょう。
鉢植えで楽しむ場合はできるだけ大きめの鉢を利用します。球根は球根の大きさの2倍くらいの深さに植えて、根が広がるスペースを取ります。また横から当たる日光で鉢土の温度が上昇するのを避けるため、何らかの保護策を講じてください。日光が一日中強すぎると思えるような場合は、木漏れ日の中で育てる方が得策かもしれません。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

