今月の庭仕事
Lesson 189
2017-07-06
前回はプラントをポットから引き出すところまでお話しました。
一つのポットから二本発芽している場合、得した気分になりますが、 切り取りましょう。くっつき過ぎる状態は生育空間が不足し、植物の成長に悪影響を与えます。コンパニオンプラントを一緒に植える場合とは違うので、混同しないでください。セミナーで「二つに分けて植えたらいいのではないですか?」と質問も出ましたが、二つに分けると根にダメージを与えてしまいます。“引き抜く”のではなく切り取りましょう。
さて穴ですが、ポットの直径が3インチなら2倍の直径6インチの穴を掘ってください。植える前に掘った穴に水を入れると水の浸み込み具合が分かります。水を満たして水が引いたら、また水を満たします。私はこれを2〜3回繰り返します。今回は野菜の話なので、4インチ、1ガロンサイズですが、バラや果樹の場合は5ガロンサイズ、15ガロンサイズ、またはそれ以上の大きさの穴の場合も同じようにしましょう。水が引いたら埋め戻し作業をします。
土壌改良剤と土はちゃんと一対一の割合で混ぜてください。ポットの土、土壌改良剤と土を混ぜた土(以下、ミックス土)、グラウンドの土と三層になり水の拡散がスムースになるので、追肥もよい効果が出るでしょう。
根の成長はポットの土とミックス土との境界がとても重要で、この2つの土をいかに圧着させるかが非常に重要なポイントです。この両面の間に空気の層があると根が死んでしまいます。これを防ぐには、ミックス土を充分押し固めることによって空気の層を排除できます。足で踏み固めるもよし、シャベルの取っ手を使うのも良し。
植える深さはミックス土を混ぜたものを埋め戻した時に、ポット内の地表面が地面より少し高くなるようにしましょう。これは深植えにならないために大切なことです。
後は掘り起こした土を使ってプラントの周りにマウンドを作り、水が浸み込みやすい環境を作りましょう。位置はミックス土とグラウンドの土との境界あたりでいいでしょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

