今月の庭仕事
Lesson 186
2017-05-10
花壇や庭に生える雑草からの攻撃を、いかにして避けるか?
庭や花壇を持ったことのある人ならば、誰でも経験する運命です。攻撃を和らげるためには、雑草とは何か、どこから現れて領域を広げるのかを見れば、対策も少しは楽になるでしょう。
雑草は、一生懸命に庭・花壇・家庭菜園を手入れする人にとっては大変な敵です。まるで、知らないうちに座敷に上がり込んでなかなか出て行かないお客にも見えます。入り込まれたら、水分や肥料分も取られて、酷い場合はお日様を遮って病害虫の安宿にもなりかねません。こうなると、花や野菜は痩せ細り、花や実も少なくなり、せっかくの週末の手入れの努力も報われません。
雑草の種は風で遠くから運ばれてきたり、地面を転がったりして広がります。隣の庭のタンポポは必ず入ってきますし、ククユと呼ばれる悪い芝も種が軽いのでブロック中に広がったのを見たこともあります。他の芝より生命力があり、私たちが「いいな」と思う芝を押しのけます。オグザリスは種が熟するとサヤが割れて小さな種が四方八方に飛び散ります。また小鳥が種を運んだり、草刈り機についていたり、人の靴にもついたりして、運ばれます。
では、次に雑草の種の侵入を防ぐ手立てを考えましょう。水をやる回数を変える、除草剤を使う、人の手を使うという方法があります。水をやる回数の影響として、潅水の間隔を長くすると地表にある種の発芽が困難になり、発芽したとしても生き残るのが難しくなります。潅水を必要以上にすると地面に落ちた種が全て発芽する危険もあり、次から次へと新しい雑草が出てきて手に負えなくなります。
除草剤の場合は、雑草の芽が出る前と雑草が成長した後にやる方法があります。理想的には前者の方がいいのですが、地表面が雨や風、靴などで崩されるので完全な効果を期待できません。後者の場合は、風や雨のない日を選び、スプレーをしましょう。
雑草がまだ若いうちに道具を使いながら手で取り除くと仕事が楽です。
一つの方法で雑草を完全にコントロールすることはできないので、大方の場合、上記の方法を組み合わせして雑草を除去します。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

