今月の庭仕事
Lesson 180
2017-02-08
もうすぐ虫たちも蠢めく春です。私たちもその陽気に誘われて、外に出て草花をいじりたくなります。今日は野菜や花などを植える時の準備や注意点について考えてみましょう。
自分で全てするとなると、土の準備、種蒔き、間引き、追肥などがあります。土の準備は、雨や潅水してから3日ほど後に堆肥や基肥になる化学肥料などを一緒にすき込みます。この時、耕運機で土が粉末状態にならないようにしましょう。土の塊が細かくなりすぎると、水はけや酸素の入る隙間がなくなって大方の植物にとっては逆効果です。
土、基肥、堆肥がよく馴染んで1週間ほどすると、種を蒔いたり苗を植え付けます。種は種の3倍ほどの深さに蒔くと言われますが、ニンジンなどのような細かい種は表面近くに蒔くので、土が乾燥しないように湿った厚めの布や藁で覆うなどの工夫をしましょう。芽が出始めたら、布や藁などは取り除きましょう。
買った苗を植えるのは簡単ですが、以下のことが注意点です。苗は、小さすぎ、大きすぎ、曲がっている、葉が黄色がかっていたりすると正常にするのに手入れが大変なので避けましょう。また1つの鉢に2、3本も入ってる苗も買わないようにします。もし買ってしまったら1本だけを残して他は切り取ります。抜き取ると他の根を害する可能性もあるので切りましょう。苗ものを植える深さは、買った時と同じ深さです。
植えた後で土を落ち着かせるために、苗の周りを少し押さえます。こ時、下の方に押さえずに苗を中心にして両手を使い、土で餅を包むような感じでやってください。このやり方だと少しその“ 餅”を植える深さも同時に調節できます。下の方に押さえるやり方だと、苗が深く植えられてしまうこともあります。特によく耕されている場合になります。
植物界において、深植えが良くない理由は色々あります。そのうちの一つは、他の根や葉と同様に幹も呼吸しているのでそれを埋めると、湿気の多い土中で表皮が炎症を起こして、最悪の場合は死んでしまいます。 植え終わったら水をやりますが、あまり土が飛び跳ねないやり方を選びましょう。鉢に植える場合も原則としては同じですが、出来るだけ大きめの鉢を使い、入れる土も少し水はけの遅いもので育てると水やりが楽になり、追肥をやる間隔も永くなります。しかしいつまでも水が抜けないものは避けましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

