今月の庭仕事
Lesson 170
2016-08-31
暑い日が続いていますが、お庭は大丈夫ですか? 仕事柄、数多くの芝生を見る機会があります。①芝生全体が茶色、②全体が黄緑、③全体は緑だが一部分だけが黄緑または茶色と、様々です。
①は完全な水不足の状態に陥っています。あるカスタマーのベミュウダグラスがこの状態で、90〜100度の日が続いている中、10分間の散水を1週間に2回では成す術がありません。そこでガーデンホースを芝生の上に置いて、蛇口を少しだけ開けて、30分間放置して置いたところ、翌週は緑に回復していました。もちろん水が深く浸透したところだけですが。蛇口を開けすぎると浸み込む前に流れ出してしまうので、急がば回れでいきましょう。
いちど水が深く浸透した場所は乾燥しにくいので、翌週に行った時には別の場所にホースを置きます。それと並行して地面に穴を開けて水を浸み込みやすくして、土自体に団粒構造にするジプサムやワーターイン等の土壌改良剤を散布すれば、水の保水力が高まります。
散布の注意点ですが、散布をする時点で土の表面が湿っていれば、より深く土壌改良剤が浸透することができるということです。土壌改良材は土と接することができて初めてその効力を発揮します。最低でも散布前日には散水をしておきましょう。
これは肥料を散布する時にも同じことが言えます。むやみに散水時間を長くして水を浪費することはやめましょう。いかに散布した水の蒸発をおさえることができるか、節水はここから考えていきましょう。
②は肥料不測の兆候です。前日に散水して土を湿らせ、肥料を散布して散水してください。芝生の肥料を散布する場合、肥料に鉄分が含まれている場合、セメントの上に絶対に残さないようにしてください。ドライブウェイ、サイドウォークにさび色の跡が残り、見苦しくなります。ましてやプールの中に落とそうものなら、、、想像するだけで怖くなります。
③はスプリンクラーからの散水に問題があります。水がちゃんと届いてないので、スプリンクラーヘッドをチェックして水が出るようにしてください。
さて今月にしておかなければならないことです。グラジオラスは掘り起こして乾燥した場所に保管しておきましょう。アイリスも掘り起こし、外側の若い部分を埋め戻します。その際、土に堆肥や肥料を混ぜ込むことをお忘れないように。ブラックベリー、ボイズンベリーの今年に実がなった長い枝は地面まで切り戻し、肥料を与えてください。肥料は時期を間違えると成長過程を狂わせるので、良い結果が得られません。気をつけましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

