編集部
◆インタビュー連載◆02 西本敬一JETROロサンゼルス 事務所所長
2017-01-28
昨年に着任した西本敬一日本貿易振興機構(以下、JETRO)ロサンゼルス事務所所長に、ロサンゼルスでのJETROの展開やプライベートでのライフワークについて聞いた。 (金丸智美)
経済は人間の幸せに役立つべきもの
―日本人は郷土愛をなくしてしまったのでしょうか。
所長 私は中央集権による経済成長追求で変わったのではないかと考えています。戦後は経済を立て直すことが第一目標でしたが、郷土愛を大事にすればするほどバラバラになり、経済の効率も落ちてしまいます。
一極集中にすれば、経済的には効率が上がります。しかし、その過程で働き盛りの人が東京へ移動したので、地方との格差が広がってしまいました。
このベクトルを変えることが、まさに安倍政権が始めている地方創生です。一極集中の成長システムが限界に近づいたので、これを変えて日本を持続的に成長させなければなりません。このようなことから安倍政権は地方創生にチャレンジしたと私は理解しています。
―なぜ一極集中の成長システムは限界に近づいたとお考えですか。
所長 少子化です。人が集中している東京は少子化が一番進んでいます。東京は経済的に栄え少子化が進み、地方は高齢化します。これは日本の将来にとって良いことではありません。
私は、経済は基本的に人間の幸せに役立つべきものと思っています。経済を優先するために幸せを怠っては元も子もない。
日本はこれまでも経済大国から幸せ大国へ移行しなければならない時期が幾つもあったはずです。それがどの時点だったのか。
石油ショックだったと私は考えます。
(つづく)
【西本敬一所長】1988年にJETRO入会。2003年は財団法人世界平和研究所に主任研究員と出向。2006年にはジェトロニューヨークセンター次長(事業担当)。JETROのウイーン、ハノーバー、熊本、岐阜にも勤務。その他に宮崎県グローバル戦略アドバイザー、岐阜県高山市海外戦略アドバイザーを兼任。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

