キム・ホンソンの三味一体
vol64 我が家の2016年、回想編
2016-12-29
今年もいよいよあと数日となりました。振り返ってみれば私たち家族にとって大きな変化を遂げた一年でした。
まず我が家で一番若手のJ&Jこと双子ボーイズですが、3歳目前にして今やもう走りまわるようになり、階段だって一人で上り降りできるようになりました。その次に若い娘は6歳となりキンダーを卒業し、めでたく一年生になりました。将来の夢は学校の先生になることらしく、弟達を床に座らせて絵本を読んであげたりしています。ただ相手の好みを考えることまではまだできず、自分の好きなプリンセスのストーリーを聞かせようとして授業ボイコットに遭う事もよくあります。
そしてその次に若い我が家のママは、双子ボーイズの送り迎えの時間のロスを減らすため職場をデイケアに近いところに変えました。精神福祉士としてフルに活躍しているのはもちろん、毎日早朝3人の子供達のお弁当を作って双子達をデイケアまで送り迎えするというスーパーママです。僕のいい加減な子供の世話の仕方とは違って、子供達を丁寧に愛育するママのことを一番高く評価しているのは、やはり子供達です。たまに僕がデイケアに迎えに行きますと、駆け寄って来て胸に飛び込んで来るかと思いきや、僕の後ろの方をしきりにチェックしながら“I want Mommy, not Daddy(お前が来たのかママが良かったのに)”と残酷なぐらい正直なコメントをしてくれます。なぜか傷つかないのはおそらく僕自身も彼らの意見に同感しているからだと思います。
最後に我が家で一番若くないパパは、つい先日17年間ソーシャルワーカーとして働いた職場を辞めて、来年の1月からはフルタイムの牧師として働くこととなりました。大学院を卒業してから今までずっと働いてきた馴染みの職場を離れることは容易な事ではなかったのですが、それ以上に大きな喜びと希望があります。先日(首のところに白いカラーのある)聖職者衣のまま娘と手をつないで街を歩いていた時のことです。「どうして知らない人もパパに挨拶してくれるの?パパが牧師だから?」「それはパパにじゃないんだよ。パパは偉くもなんともないけど、服を見て神様のお仕事をお手伝いしていると分かるから、神様ありがとうって挨拶してくれてるんだよ。」「そうか。前に(ママがダメって言ったのに)車の運転早すぎてお巡りさんにおこられたこと、みんなは知らないのね。」「うむ、そ、そうね...。」
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。








