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コラム

苦楽歳時記
第227回 地獄と神

2016-12-01

 子供のころに和歌山県の小さなお寺で、住職の説法を聴いたことがある。本堂の壁には、地獄の恐ろしい責め苦のようすを描いた『地獄変相図』の絵が掲げられてあり、住職はその絵に指を差して、生前に罪を犯した者は地獄行きになると説いていた。

 地獄の総称である『奈落』とは、サンスクリット語(梵語)のナラカの音訳であるが、特筆すべきことは、本来、地獄の観念は仏教には存在していなかった。説法を施す上で悪人を改心させるためには、「奈落の底に陥るぞ」といった威迫のある戒めが必要であった。そこで仏教は『地獄』の概念をヒンズー教から借り入れたのである。

 ヒンズー教では地獄の入り口に死者の世界があって、閻魔(エンマ)がこの世界を支配している。死者はこの世界で生前の行為を審議されて、諸説によれば何百とある地獄(ナラカ)へ振り分けられるのである。

 俗に言う「地獄極楽はこの世にあり」とは、善悪の行いの裁きは、生きているうちにはっきりとあらわれるという意味である。極楽の楽しみは現在が幸せであること、地獄の苦しみは幸福であったことである。

 アメリカ人宣教師であった医師のヘボン(正しくはヘップバーン)は、安政六年(一八五九)に来日して、神奈川に診療所を開設した。九二年に日本の地を去るまで、数多くの病人を救いながら、日本で最初の和英辞典『和英語林集成』を結実、ヘボン式ローマ字を普及させた。

 フランシスコ・ザビエルが日本で布教活動をしていた時分は、キリスト教の絶対者であるゴッドを大日(だいにち)、天主(デウス)、天翁(てんとうさま)などと訳していた。その後、約三百年を経て、ヘボンが「神」と和訳したといわれている。

 以来、キリスト教に「神」が定着したが、日本の固有信仰である神道の神と混同してしまうので紛らわしい。

 では、キリスト教の神と神道の神とでは、一体どのような違いがあるのだろうか。日本宗教学会評議員の小池長之さんの研究文献に、面白い記述を見つけたので紹介したい。

 「人間が学生であるとすれば、神道の神様は大学の教授程度であるという」。言うまでもなくキリスト教の神は、天と地を創造された全知全能者である。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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