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コラム

苦楽歳時記
第223回 聖なるアーバイン

2016-11-03

 癒やしと恵みの牧師館から、アーバインの従妹の家に引っ越してから一ヶ月半が経つ。それまでに年に一、二度訪れていたが、実際に住んでみると所感が変わっていることに気がついた。

 みどりが豊かで穏やかで、周りの環境も素晴らしい。近隣にはテニスコートとプールがあり、広大で美しい公園もいくつかあるようだ。よく整備された芝生のグリーンは、太陽に照らされて鮮やかな光彩を放っている。週末だというのに、数えるくらいしか人はいない。

 僕たち家族を迎えるにあたって、独立した子供たちの部屋はリモデルされていた。個室三部屋を自由に使ってもよいらしい。

 僕の書斎は中庭に面していて、藤棚と水の流れる音と共に野鳥のさえずりが聞こえてくる。引っ越しには、多くの蔵書があり大変であった。家人の従妹シンディーは、大きな備え付けの書棚を作ると言ってくれた。まことに有難いことだ。

 牧師館の鍵和田夫妻にしても、シンディーと夫のトニーにおいても、誠実で心が温かいので恐悦至極の想いになってしまう。なんと幸せなことであろうか。

 トニーと時折訪れる娘のハナの作る料理は、今までに味わったことのない、一味違う滋味にあふれる風情を感じさせる。

 ディナー・タイムには、トニーの作った赤ワインがいつもサーブされる。ピッチャーの中に赤ワインとソーダとリキュール、そしてレモンとライムを切って皮ごと入れる。この飲み物を「サングリラ」と称す。

 大きな冷蔵庫二つとパントリー、そしてガレージには数多の食材が備えられている。バックヤードには、いろんな野菜とフルーツそれにハーブが植えてある。

 バルセロナ出身のトニーは、食通で料理が上手。僕とよく気が合うのだ。機会があれば、彼と料理の鉄人対決を試みてみたい。 

 広い家に平日の日中は家人と二人だけ、安閑な中で過ごしていると集中力がまして仕事がはかどる。

 きょうも青い空が広がり、朝陽に緑が映えてうららかに輝いている。秋さぶの静寂の中で、僕は益々主に癒されていく。主が導いた約束の地、聖なるアーバイン。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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