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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第382回 米国は「女性記者を応援します」

2016-07-07

第六代大統領ジョン・Q・アダムスはホワイトハウスと目と鼻のポトマック川で泳ぐことがたびたびあった。
ある朝全裸で泳いで岸辺に戻ろうとすると、彼の服の上に座り込んでいる若い女性がいた。
アン・ロイヤルという経済担当の記者だった。合衆国銀行の件で大統領の見解を質したいという。
全裸の大統領、川から逃げ出すことも叶わない。水に浸ったまま彼女のインタビューに応じるしかなかった。
アンは大統領の密かな楽しみの一瞬を衝いて特種をとったのだった。
 日本ではあり得ない。
ヘレン・トーマスはUPIのホワイトハウス担当記者を七九歳まで務め、二○一三年七月、九二歳で死ぬまでフリーの記者としてホワイトハウス発の記事を書き続けた。
大統領の記者会見ではいつも最前列のイスに座る名物記者だった。
○六年三月二一日、彼女は息子ブッシュ大統領に次のように質問した。
「閣下、あなたが決断したイラク侵攻の理由のすべては、真実でなかったと判明しています。
あなたは一体なぜ戦争をしたかったのか。本当の理由は何なのか。原油のためでも、イスラエルのためでも、他の何者のためでもないと言われる。では一体何のためか」
核心的質問を突きつけられたブッシュ、「サダム・フセインが査察やすべてを明らかにすることを拒んだからだ」と答えたが、動揺は隠せなかった。
酷な追求を自粛する和の国、日本の記者に真似の出来ない熾烈さだ。
 一四年十二月一九日、ホワイトハウスで開かれたその年最後の記者会見で、オバマ大統領は女性記者八人のみに質問の機会を与えた。
アーネスト大統領報道官は「大統領を日々取材、激務をこなす女性記者がたくさんいる事実を際立たせたかった」とこの日のオバマ大統領の意図を説明した。
通信社ブルームバーグは「ホワイトハウスに歴史的な日として残るだろう」と報じた。
全米注視の大統領会見で女性の地位向上に力を貸した形だ。さりげない知恵の演出、およそ日本ではあり得ない。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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