後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第362回 ドジャース監督に沖縄出身者!
2016-02-18
二ヵ月半前、ドジャース球場の記者会見場。
二㍍六㌢、アフリカ系の大男が一㍍七八㌢、アジア系男子の肩に新品ユニフォームを着せながら「監督就任おめでとう」と握手を求めた
アフリカ系大男は「NBA歴代の偉大な選手五○人」に選出されたバスケット・レジェンドのマジック・ジョンソン氏。
アジア系とみえた男はこのほどLAドジャース監督に就任したデーブ・ロバーツ氏だ。
正確に言えば彼はアフリカ系海兵隊員の父と那覇市出身の母の間に生まれた混血日系人だ。
マイノリテイーがドジャースの監督になったのはこれが初めてで、日系人が大リーグ監督に就任した例はシアトル・マリナーズのドン・ワカマツ氏以来二人目だ。
大リーグ三十球団(ア・リーグ一四、ナ・リーグ一六)中、マイノリテイーが監督として今シーズン指揮をとるのはブレーブスのF・ゴンザレスとナショナルズのD・ベーカー、それにこのロバーツ氏の三人だけだ。
人種差別はないと言っても見えない差別はたくさんある。
マイノリテイーに強いられる狭き門を突破したロバーツ氏にはリーダーシップと人をひきつける魅力があるという。
デトロイト・タイガース、クリーブランド・インデアンス、LA・ドジャース、ボストン・レッドソックスを選手としてプレー、サンディゴ・パドレスでコーチを務めた。
大リーグ通算八百三十二試合に出場、通算二三本塁打、二一三打点、打率二割六部六厘。
特に取り上げるほど打力はないが、盗塁二四三は俊足の証。
ドジャースに移籍した二○○二年にチーム最多の四五盗塁を記録、出場試合数の少なかった翌年も四○盗塁を達成した。
レッドソックスに移籍した○四年には四一回の盗塁を試み三八回成功、成功率九二・七%という驚異の走力をみせた。
ロバーツ監督の母親、栄子さんは那覇市松川の出身で、彼自身も那覇市で生まれている。
「沖縄は自分の一部」とルーツを誇るロバーツ氏の健闘を期待している。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

