今月の庭仕事
Lesson 163 4月後半からすること
2016-04-27
2016年もあっという間に3分の1が過ぎ去ろうとする4月後半、そろそろ夏に向けての仕事の準備をする時期となりました。クラブグラスやスパージといったアニュアルの雑草の発芽を防止する薬剤の散布や、バラはそろそろミルデュウ(うどんこ病)とエイフィス(アブラムシ)が発生する時期ですが、みなさんの庭はいかがでしょうか?
1月中にプルニング(切り戻し)が終わったことと思います。切り戻した結果、内部まで光が十分にあたるようになり、内向きの芽が成長し始めて、ブッシュのようになっていませんか? もしこのようになっていたら、内向きに伸びている枝は切り取り、透かすようにしてください。
ミルデュウと一口に言っても2種類あり、一つは皆さんが想像しているように、まるで上からうどん粉をふりかけたように白い粉が葉の表、茎、蕾を覆うかび病で「パウディーミルデュウ」といいます。もう一つは「ダウニーミルデュウ」といって、葉に赤色や茶色のスポットができ、葉に少しうねりができます。そして黄色に変色して葉が落ちてしまいます。
この2種類は、それぞれコントロールできる薬剤が違うので、スプレーをする前にきちんと薬剤の説明書を読みましょう。
シトラスの葉をボロボロにしてしまう害虫に対するオスの捕獲器(人工的にメスの匂いを作り出すトラップ)の設置、夏野菜の畑の準備、夏用の花床の準備と続きますが、くれぐれも有機肥料や化学肥料を土と混ぜ合わせる時は、窒素過多にならないように容器に記載されている量を守って使用しましょう。いちど窒素過多の土壌にしてしまうと、手の施しようがありません。
水不足のため散水制限が続いている中、散布できる最適な肥料の選定、購入、スプリンクラーの点検などといろいろ忙しい時期です。「4月を制する者は1年を制す」というか、要は備えあれば憂いなしということです。
土壌も使用する有機肥料、酸性化学肥料、アルカリ性化学肥料、そして降雨量で性質が変化してきます。病害虫の発生も天候、気温に左右されます。そういう状況の変化を的確に判断して、対処方法を選定するのも皆さんの仕事です。庭園業にこれで終わりということはありません。ネバーエンディングストーリーですね、頑張りましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

