今月の庭仕事
Lesson 161 3月中旬にしておくこと
2016-03-16
早いもので3月も中旬に入ってしまいました。雨が降ったかと思えば、真夏のような暑い日が続いたので、プラントも“春が来た!”と感じていることでしょう。
水不足で瀕死の重症だったクールシーズンローンも雨のお陰で見ちがえるほど美しい緑を取り戻しています。雨は硬水ではないので、地中の塩分濃度も下がります。当然のごとく地中のアルカリ度が下がり、中性に近づきます。 気温の上昇に伴って、地中の水分が温まり、温度の上昇が地中に伝導されるお陰で、地中の微生物たちも活動し始めます。
さて、これは何を意味するのでしょうか?
ご存知のことと思いますが、「肥やしタイム」の到来です!冬の間は低温で夜間の温度が50℉下回ると、微生物の活動は低下するので、多くの化学肥料は効かないでしょう。
肥しをやる前にやっておかなければいけないことがありました!冬の極寒時に寒害を受けたプラントの痛んだ枝先を切りとりましょう。多くの場合、トロピカルプラントと呼ばれている熱帯式気候を好むプラント(インペイシャン、ブーゲンビリア、ハイビスカス等)の被害が目立ちます。切り取る場合は被害を受けた部分だけではなく、大目に切り取り、夏の間に大きくなり過ぎないようにしておくことも一考だと思います。
もう3月中旬なので、これから寒害があるとか、フロスト霜害があるとは考えにくいです。またこの雨で、いろいろなプラントの間に生え出した雑草を、肥しをやる前に引き抜くなり、殺草剤を散布するなりして、処置しておくこともお忘れなきよう。土が湿ってる間は、雑草は面白いほど、気持ちよく抜けてくれます。
さて、肥しタイムに話を戻しましょう。化学肥料は即効性があるとご存知のことと思いますが、肥やしが溶けた水がルーツゾーン、つまり根のある場所へ到達しなければ、何の役にも立ちません。肥やしを置く場所は良く考えて決めてください。
有機肥料は遅効性あるいは暖効性なので、効力が現れるまでに時間がかかるということを頭に入れておいてください。野菜畑に基肥料として土と混ぜる場合、苗を植えるのは、最低2週間後になります。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

