今月の庭仕事
Lesson 159 2月中旬にしておくこと
2016-02-17
2月も半分過ぎて、皆さんはやるべきことをしっかりやったでしょうか?
現時点までに終わっていることは、フルーツの木の剪定と剪定後の木に越冬病害虫駆除剤の最低1回の散布です。剪定直後に薬剤散布をされた方は、2ヵ月後の2回目散布が12月末から1月初旬だったでしょうから、今回の散布の3回目で、花が開く前の2月中旬となります。「剪定もしてない!」「越冬病害虫駆除剤を1回も散布してない!」という方は、ここであきらめずに、まず1回目の薬剤散布をしましょう。
去年の秋に南加庭園業連盟が主催した「美味しい果物を作る秘訣」セミナーには多くの方がご参加くださいました。味が薄かった、甘くない、甘かったけど酸味が足りなくて水ぽかった、水分が少なくてパサパサだったなど、皆さん、さまざまな疑問を持って参加されたと思いますが、成果はいかがでしたでしょうか?
自然環境と美味しい果物を作る木の要求が一致した時に、美味しい果物ができます。植える場所の選定は、私たち人間ができる数少ないことの一つです。木の花芽を作るための温度は何度以下、日照時間は何時間以上であると分かっているにもかかわらず、その要求を満たすことができない地域で、植物が販売される場合もあるのでご注意ください。
植える段階になっても木の要求は続きます。土壌の酸性度、水はけに対する要求に適切に対処しておかないと、肥やしが効かなくなってしまったり、根腐れの原因になったりします。この時点で木は地面に根を下ろしているので新たな要求がでできます。大きく成長していくためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーを作り出すには光合成が必要ですが、そのためには日光が必要です。日照時間の要求があるので、障害物が日光を遮らないようにちゃんと整備しましょう。
日光によって葉で作られた糖分を使って、エネルギーが木の各部位へ運ばれて成長が始まります。芽や枝も一斉にいろいろな方向に向かって伸び始めます。2つの枝が同じ方向へ伸びたり、上へ、または幹へ向かって伸びたり、枝が込み合い始めます。このままだと日光を遮り、風通しが悪くなり、病害虫発生の原因となってしまうので、大まかな剪定しましょう。何年も剪定しないと、枝が大きくなりすぎて内側は日光が当たらず、枯れ枝が増えてしまいます。勇気を出して、ノコギリで剪定を始めましょう!
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

