今月の庭仕事
Lesson 158
2016-02-03
156回の掲載で接木について触れましたが、紙面の関係上、十分に書けなかったので、今日はそれを補足するために続けます。ここではビデオとか図解などの余裕がないので、インターネットなどを参考にしながら理解の手助けにしてください。
前にも書きましたが、いかなる方法で接ぎ木をするにしても成功させるための大事な事柄は同じです。木々は冬を除いて一年中成長をしてはいますが、接ぎ木をする時にやらなければならないことは、台木の成長期間中です。接ぎ木は、その後に管理する上で、穂木が乾燥しやすい暑い夏と樹液の流れが少なくなる秋にはやりません。しかし、接がれた芽が水分をたくさん必要としない秋の「芽接ぎ」は行います。
必要な道具は、切った表面がまっすぐで滑らかにできる非常に良く切れるナイフ、動かないようにするための伸びるテープ、乾燥を防ぐためのパラフィンテープ、更に強い日光と風邪を防ぐ工夫などです。
接ぎ木の仕方によって、さまざまな呼び方がありますが、ここではよく用いられているやり方とその環境や理由などを考えてみます。
身近に一番よく見られるものが「切り継ぎ」でしょう。これは、台木と穂木の形成層がよく見られるか、または想像できる所にあるのでやり易いです。台木と穂木のサイズが近いものがよく使われます。
「割つぎ」では、台木と穂木のサイズが同じだと形成層がよく合うので、成功率も高いです。もし確実に両方のサイズを見つけ出したい時には外径、内径がが正確に測れるコンパスほどの小さな器具を利用したら非常に正確な仕事ができます。 HARBOUR FREIGHT や HOMEDEPO などで販売しています。この道具を使うと、WHIP GRAFTING(台木と穂木の接がれる部分の太さが正確に一致するもの同士の接ぎ木法)をするのに台木と、穂木のサイズを探し求めるのも簡単になります。
「腹接ぎ」は、枝や幹を使ってやります。これは、現在持っている品種を別の品種に更新したい時などに適します。「芽接ぎ」と同じで、接ぎ木が成功してからその先の枝や幹を切り落とすので、失敗しても再度やり変えられる利点があります。
以上のことに注意を払いながらやれば、花木においても同じですから接ぎ木も面白くなるはずです。穂木の削り方なども小枝を使いながら、神経質にやらなくなるまで練習してみましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

