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コラム

苦楽歳時記
第210回 牛肉

2016-08-04

 子供の頃わが家では、ご馳走といえばすき焼きであった。昨今の日本人は、すき焼きをあまり食べていないように思う。その代わり、焼き肉(ホルモン焼き)を味わうようになった。

 霜降り和牛を食してみて味覚を称揚するときに、まず、第一声が「柔らかい」もしくは「ジューシー」。その後に、「美味しい」あるいは「ウマイ」と続く。

 どうやら日本人のほとんどが、舌の上でとろけるような柔らかい牛肉が美味しいものだと思っているらしい。脂質は旨味成分であるので、霜降りにして赤身肉と一体になることは、柔らかくて美味しい牛肉になることである。

 けれども、良質の赤身肉を分厚く切って焼き方に工夫を凝らすと、歯応えのある牛肉本来の旨味と、野趣に富んだ肉汁のコクが堪能できる。

 「但馬牛」の名称は、兵庫県北部で生産された牛に対する呼称。「但馬牛」の中でもさらに選りすぐった上質のもののみが、和牛の誉れとして名高い「神戸ビーフ」だ。日本で一番厳しい認定基準を持つ。

 「但馬牛」の資質と肉質が非常に良いため、三重県の「松阪牛」と滋賀県の「近江牛」の素牛となっている。

 また、「但馬牛」の血統を継ぐ牛は、宮城県の「仙台牛」、岐阜県の「飛騨牛」、佐賀県の「佐賀牛」である。

 独断的な味覚順位によると、ナンバーワンは「神戸ビーフ」(兵庫県)。二位「米沢牛」(山形県)、三位「飛騨牛」(岐阜県)、四位「宮崎牛」(宮崎県)、五位「近江牛」(滋賀県)。番外として大阪府の幻の牛肉「羽曳野牛」。

 十五年前に訪日した際、大阪コリアタウン鶴橋の『鶴一』で焼き肉を食した。学生時代に一度訪れた店である。

 数日後、三ノ宮(神戸)の焼き肉店『石田屋』へ赴いたところ、『鶴一』とは雲泥の差に吃驚(おどろ)いてしまったのである。さすが「神戸ビーフ」、味の差は歴然としている。背トロのあぶりを味わっている食感であった。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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