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コラム

苦楽歳時記
第209回 励ましと希望を与える言葉

2016-07-28

 アメリカでの話。酒に酔った父親が中学生の息子と口論になって激白。大声で怒鳴りつけた。「黙れ、さもないと殺すぞ」。

 通報により駆けつけた警察官に、父親はその場で身柄を拘束されてしまった。言葉の暴力により三ヵ月の刑罰が科せられた。 

 勤務中に従業員に対して何気なく発した言葉が、パワーハラスメントに準じてしまったので、早速、弁護士を介して訴訟の手続きをとられてしまった。

 いずれも、巷で耳にした話である。禍の門である口から発せられる言葉だけに、良く吟味して使わなければ大変なことになる。

 「言葉は翼を持つが、思うところに飛ばない」と語ったのは、英国の作家ジョージ・エリオットである。

 野村克也氏が現役のキャッチャーであった頃、バッター・ボックスに立つ打者に対して、気をひく話題を選んで一人でブツブツとつぶやきながら、集中力を散漫にする作戦にでる。

 このように言葉には魔力が潜んでいるが、時として思うところへ飛んでくれない。そんなつもりで言った訳ではないのに、相手の心情を深く傷つけてしまうことがある。

 担任の先生から落ちこぼれの烙印を押されたA君は、落胆して家路についた。家に帰ってから母親にそのことを話すと、お母さんはA君の話に耳を傾けて静かに聞き入った。そしてお母さんはA君に向かって告げた。「息子よ、お前はわが家の天才だ!」。

 あの発明王エジソンも、不登校の落ちこぼれだった。そして後に、天才と賞賛されるようになった。それ以来、母親はA君のことを「わが家の天才」と呼んで励まし続けた。

 アメリカに留学中の音大生の話。日本のピアノの先生は厳しかったので叱られてばかりいた。ところがアメリカでは数人のピアノの教師から手ほどきを受けたところ、やけに褒めてくれるそうだ。叱られるより褒められるようになってから、士気が上がって上達したという。

 励ましと希望を与える言葉を、日々の生活の中で繁栄させていきたい。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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