苦楽歳時記
vol193 発酵食品と一汁一菜
2016-04-07
日本は長寿の国である。その理由の一つに、充実した医療と保険制度がある。
もう一つの理由は、日頃から何気なしに口にするものに仄めかしがある。納豆や糠漬け、鰹節、味噌、醤油などの食品は全て発酵食品。
発酵食品は免疫力を高めて、病気の治癒力が倍増。従って、健康が維持されるから長命につながるというわけだ。チーズ、ヨーグルト、サワーブレッドなど、欧米人が好む食品の中にも発酵食品がある。
昨今の僕は、一汁一菜を心がけている。主食は胚芽米の雑穀入り。汁物は具たくさん味噌汁。そしてお菜は、味噌または粕漬けの焼き魚または煮魚、香の物は糠漬け。
「医食同源」とは、日常の食事を配慮することで最良の薬になるとの意味。すなわち、病気の予防になるという。
僕は一汁一菜が粗食だと思わない。発酵食品などをとり入れて、献立の工夫次第で栄養のバランスがとれた健康食になる。
「酒は百薬の長」とは、ほとんどのアルコール類が発酵飲料。少量の酒は血液の循環を良くして身体を温める。温まったら免疫力が高まる。酒を適度に飲むことによって、ストレス発散にもつながる。
免疫力を高めてくれる食材ベスト10とは、大根、長いも、鶏肉、ヨーグルト、茶そば、小松菜、納豆、梅干し、にら、にんにく。その他にも、緑茶、抹茶、豚肉。
僕は、滋養に満ちた一汁一菜の膳を、きょうも感謝の念をいだいて玩味する。
悪疾に見舞われてから七年半も過ぎ去ると、つと、人生は捨てたものじゃないと心づかしてくれる。
夢と希望をいつも胸に、暮らしに花心を添えて余生を歩んでみたい。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。