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コラム

苦楽歳時記
vol184 メカニックと日本車

2016-02-04

 ビバリーヒルズの屋敷に居候していたころに、不意に愛用のアメ車の調子がおかしくなった。行きつけのガスステーションで調べてもらったら、エンジンに支障をきたしているので、車を買え替える時期だと言われた。

 更に日本人のメカニック二人に点検してもらったが、どちらもガスステーションと同じ見解を示した。当時の僕は、スクールボーイの貧乏学生。なすすべがなく途方に暮れてしまった。

 知人の紹介で、車の故障なら何でも手がけるメカニックを紹介してもらった。僕の下宿先まで、わざわざ訪ねてきてくださったのだ。

 車を十五分くらいチェックしたであろうか、「直りました!」との声が聞こえた。僕は半信半疑で車を見に行った。

 「ボルト一つ交換しただけです」。何の気負いもなく物腰は柔らかい。修理費用はわずか五ドル。ガソリン代にもみたない。僕は、初っぱなから絶句したのである。

 メカニックが帰って直ぐに、テスト走行を試みた。以前よりも調子が良い。フリーウェイを走らせてみると、益々、感触が良い。僕は飛び上がるほど嬉しかった。

 そのメカニックの名は、石井信三さん。一九八七年に独立されてからは疎遠になっているが、今でも『SHINZOオートサービス』をアーバインで営業している。

 信望も厚い上に技術が卓越している石井さんは、子供の頃から車が大好きで中学生になると車の改造に興味を憶えた。

 その節に、石井さんを紹介してくれた知人の話によると、石井さんは車が古くて難解な修理ほど情熱を傾けたという。

 現在の僕は、右半身麻痺で車の運転できないけれど、十七年前に日本車に乗り換えてからは、定期点検を怠らないでいれば故障は皆無だ。

 家人はトヨタ・カムリを十一年前に新車で購入。二十一万マイル走行しているが、まだまだエンジンは大丈夫のようである。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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