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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第355回 今世紀を彩るブロック経済圏

2015-12-17

 強い奴が弱い者をしいたげる。強い国が弱い国を叩いて甘汁を吸う。
 ものを売る・買う場合も強国の論理。強国が得をする〝無法”に、弱小国は泣いてきた。
 第二次大戦以降、「それではダメ」との英知が芽生えた。
 「みんなの幸せは 貿易を自由化し経済を活発化させること」と西側諸国は一九四八年、GATT(関税貿易一般協定)を発足させた。
 東西冷戦後、GATTは発展的に解消され、九五年にWTO(世界貿易機関)として生まれ変わり、自由貿易の中心機関になった。
 しかし先進国と発展途上国の利害が対立し多角的貿易交渉が暗礁に乗り上げてしまった。
 加盟国の全会一致という採決法だったので何も決まらなかった。
 そこで採用したのが二国間交渉だった。
 FTA(自由貿易協定)で関税の撤廃・削減を目指し、EPA(経済連携協定)で関税ほか知的財産の保護と投資ルールの整備を目指した。
 別の声が出た。「二国間交渉は、時間ばかり食って非効率!」という不満だった。
 ブロック単位で経済発展を目指す動きが四つ出た。
そのひとつがTPP(環太平洋パートナーシップ)だった。
 太平洋を囲む日米など十二カ国が協議を重ね「原則関税ゼロ」の貿易がようやく可能になった。
 追って韓国等の参加も予想されている。
 残り三つは「日本・EU・EPA」、米国とEU間の「TTIP」(環大西洋貿易投資連携協定)、東アジアに絞った「RCEP」(東アジア地域包括的経済連携)で、加盟国の繁栄を最優先に掲げている。
 RCEPには中国、インド、韓国ほかASEAN(東南アジア諸国連合)全加盟国が参加、強いFTAを誓っている。
 TPPもFTAの一つ。EU(ヨーロッパ連合)もFTAだ。
 TPPは米国の、RECPは中国の主導でライバル関係にある。
 RECPは巨大で、,総人口が地球二分の一の三十億人、総生産が地球三分の一を占めている。
 TPPとRECPがむき出しの米中対決を醸成しないことだ。
 戦争という〝無法”に走らない真の英知こそ必要になる。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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