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コラム

苦楽歳時記
vol179 クリスマス

2015-12-24

 クリスマスは、キリスト教徒の国では一般にイエス・キリストの降誕を祝う日である。日本のクリスマスは、バレンタインデーやホワイトデーなどのような、ロマンチックなラブ・イベントの一つにすぎない。

 日本のクリスマスに欠かせないものとは、「ケンタッキー・フライドチキン」。毎年恒例の、クリスマスの定番として予約が殺到する。

 クリスマス・キャンペーンの三日間だけで、約六十億円売り上げるという。年間の売り上げの一割強を稼ぎ出す繁忙期だ。

 時は一九七〇年代初頭、東京のKFCJ青山店に来店した外国人の客が、「日本では七面鳥が手に入らないので、フライドチキンを代わりに食べる」と言ったのがきっかけとなる。

 それをヒントに当時の営業担当者が、「クリスマスには、ケンタッキー!」というキャンペーンを展開。それが当たって全国に広まった。

 日本にクリスマス文化が入ってきたのは、一五四九年(天文一八年)フランシスコ・ザビエルがキリスト教を布教するために日本へやってきたのがきっかけとなる。それから三年後、最初のクリスマス・ミサが執り行われた。

 一五六八年(永禄一八年)には、堺で戦(いくさ)をしていた織田信長と松永久秀に対し、両陣営にキリシタンがいることを知ったイエズス会士のルイス・フロイスの呼びかけによって、「クリスマス休戦」が挙行されている。

 堺の貿易商の邸宅に両陣営の武士が集まりミサをした後に、互いに持ち寄った料理を食しながらクリスマスを祝った。往時はクリスマスのことを「ナタラ」(ポルトガル語のクリスマス)と呼んでいた。

 明治時代のクリスマス・プレゼントで、最も人気があったのは『ライオン』の歯磨き粉。一九一〇年(明治四三年)に、日本初のクリスマス・ケーキが『不二家』から売り出された。

 お菓子のたくさん詰まった「クリスマス・ブーツ」は、一九四七年(昭和二十二年)に、『近商物産』が発売して以来、全国に広まった。

 「老いなれど ケーキ楽しむ クリスマス」(茂木とみ)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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