苦楽歳時記
vol176 つぶやきと『花』
2015-12-03
わたしの人生は失敗ばかり。失敗はいくらでもやり直しがきくが、成功はやり直しがきかない。
花の命はみじかい。みじかいながらも、美しく咲き誇ろうとしている。嫌なことがあっても精一杯、美しく生きようと想う。
人生につまずくたびに心がおれる。つまずかなかったら、大切なことは学んでいない。雑草は踏まれても、踏まれても、力強く成長する。わたしも挫折するたびに優しさを学ぶ。思いやりは宝である。
せつないと思う心がせつないのだ。ついていないと思う気持ちが、ついていないのである。
前向きに生きることが、幸福(しあわせ)をつかむ。
頭にきたら歌いましょう。憎い思いがよぎったら踊りましょう。忘れることは赦すこと、人を赦すことは自分を育てること。
わたしは末期癌。余命四ヶ月と医師から宣告された。癌を恐れる必要はない。笑い飛ばせばよいのだ。笑う門には癌いやされる。
悪疾を患って煩悶していなかったら、まことの愛を見失うところだった。
◆ ◆
『花』
がれきの山に 野の花は咲く
美しく たくましくあれと教えてくれた
哀しみの心に 可憐な花は咲く
優しさがめばえて 朗らかであれとあなたはささやいた
不安な心根に 希望の花は咲くよさく
いつまでも いつまでも より美しく
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

