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コラム

苦楽歳時記
vol156 和食素食考

2015-07-16

 粗食を玩味している昨今、にわかにひらめいたことがある。調理に手間暇をかけると「粗食」が、栄養素の「素食」になることに気づかされた。

 ラップおむすびはやめて、手のひらに水をうち少量の塩加減にして、炊きたてのご飯で我慢しながらおむすびをにぎる。

 食してみたら、粗塩と熱々のご飯だけでも味わい深い。

 少々面倒だが、入れ粥をやめにして炊き粥にすることにした。米を洗いザルにあげること三十分、陶器行平鍋に水と研いた米と、隠し味に酒を少々忍ばせて炊き込む。途中で梅干しを入れる。ボトム梅(くずれ梅)があればなおよい。

 茶粥も同じ要領で作る。番茶、ほうじ茶、玄米茶など、その日の気分しだいで茶の種類を変えてみる。茶粥の場合には、小ぶりウルメの丸干しを二~三本いれる。クサヤ、佃煮、塩昆布を入れるときもある。

 茶粥ができあがると、干物の旨味と茶の香りが食欲を増進させてくれるのだ。このときばかりは朝から、日本人に生まれて良かったという境地にいざなわれる。

 冷奴の美味しい食しかたは、パックから出した豆腐をボールに移し、水を入れて酒を少し垂らして冷蔵庫で二~三時間あく抜きをする。

 ネギ、ショウガ、ミョウガ、オクラ、青ジソ、納豆、かつお節など、栄養のバランスを考えた薬味どっさりの冷奴を作る。

 意外と美味なのは、塩とごま油の冷奴。それから、和がらしをつけても存外いける。

 炊き立ての飯と、美味しい糠漬けがあれば何もいらない。

 それで、糠床に工夫をこらしてみた。本枯れ節一本、昆布、粉末の干し椎茸、乾物貝柱、するめ、タカノツメ、かんきつ類の皮、数日後には、たまらなくコク深い滋味に変化していた。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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