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コラム

苦楽歳時記
vol155 出会いと心ときめく再会

2015-07-09

 リトル東京で食事をするために、ジャパニーズ・ヴィレッジ・プラザのパーキングに自動車を駐車した。エレベーターで降りると、正面にワンマン・バンドのアーサー中根さんらしき顔が見えた。

 彼のパフォーマンスをライブで観るのは家人も僕も初めてだ。車椅子を停めて少し離れたところから、二十分間くらい鑑賞をしていた。

 何曲か歌い終えたあとに、中根さんは僕に英語で声をかけてきた。家人が車椅子を押して近づくと、僕は自分の名前をフルネームで告げた。

 一瞬、怪訝な表情を浮かべたかと思ったら、見る見るうちにくしゃくしゃの笑顔に変じてしまった。初対面の感激のあまりに、ヴィレッジの中央で脇目もふらずに抱擁し合った。

 中根さんは言語も身体も麻痺状態で、声のコントロールができないまま、週に三、四回パフォーマンスを演じておられる。

 中根さんと僕の接点は、『苦楽歳時記』のコラムの感想を書いてメールで送ってくださる仲だ。

 本日のメインは僕の還暦のお祝い。昔、馴染みにしていた『小政』で、ささやかなお祝いをするつもり。

 店に入った途端、目に飛びこんできたものは、開店以来ずっと変わっていない、壁に掛けてある「魚の絵」のパネル数枚。

 『小政』の入り口の外側には客の列が続き、店内は目白押しの大盛況。顧客のみなさんはよくご存じだ。寿司店を営むミノルさんとセツコさんの人柄に、きっと惚れ抜いたのに違いない。

 『大政』のヒデさんとも、二十四、五年ぶりに再会を果たしたので、心うれしかった。特筆に値するのは、ウェイターのみなさんは如才なく、気さくで心優しい方たちばかりだ。

 興奮しすぎて、嬉しすぎて、中根さんと偶然の出会いがあったので、ミノルさんご夫妻に、僕の誕生日を告げるのを失念してしまった。再会の深い感銘を決して忘れはしない。 また、お邪魔しますからね!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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