後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第328回 軍令による強制売春はあったのか
2015-06-04
一体誰が正しいのか。
日本の歴史学十六団体、学者六九○○人が五月末、『日本軍慰安婦問題の歪曲を中断すべき』との共同声明を出した。
五月初め『慰安所管理に日本軍が関与した資料がある』とするエズラ・ヴォーゲルら世界的歴史学者一八七人の共同声明に追随する動きだ。
『韓国女性が日本軍に強制連行、慰安婦にさせられた』、『いや、軍令部容認のもと女性を強制連行した例は皆無』。
前者は韓国の、後者は日本の言い分だ。確たる資料、証言を欠く七十余年前のことだ。
ソウル大学の名誉教授安乗直は韓国女性に関する限り『強制の証言はあるが、客観的な資料はない』と言う。
『貧しさから身売りが沢山あった時代に強制連行の必要があったのか』と疑問符をつける。
韓国陸軍の元大佐池萬元は『慰安婦の大半は極貧下で性売買を自ら望んだ人』と言う。
一九六五年の日韓基本条約で日本は、韓国に無償三億㌦、有償2億㌦、民間借款3億㌦を支払った。無償3億㌦は今のお金で一兆円を超える額だ。
両国はこれで『完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する』として署名した。
なのに韓国側は最近、『従軍慰安婦、広島・長崎での原爆被爆者、炭鉱等で強制労働させられた韓国人は日韓条約の適用外』と主張している。
一方、中国は日本の戦争犯罪を不問にした。一九七二年の日中共同声明で『賠償請求権を放棄する』ことに合意した。
ヨーロッパから待ったがかかった。
一九四八年、『オランダ領インドネシアで慰安婦にさせられた』とオランダ人女性が告発した。
死刑を含む日本兵十一人に有罪判決、慰安婦三十五人のうち二十五人に強制が認定された。
オランダ政府はインドネシア各地に強制慰安婦が少なくとも六十五人いたとみている。
日本側は『軍令部のガイドラインを現場が無視し暴走した強制』としつつも、アジア女性基金を通じ二億五千五百万円の償い金を支払った。
一体誰の言い分を信じたらいいのだろう。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

