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コラム

苦楽歳時記
vol142 栄光への脱出

2015-04-09

 一九九五年度のミス・アメリカ、ヘザー・ホワイトストーンさんは、一歳のとき突然の高熱に苦しみ聴覚を失った。

 往時、最もアメリカ人に感動を与えたミス・アメリカは、常に神を信頼して日々イエスに祈りを捧げていた。

 彼女を支えた五つのポイントとは、積極的思考、夢を持つこと、一生懸命励むこと、弱点を知ること、その弱点を補う協力チームを作ること。

 吾々の弱点そのものが、栄光への脱出となる鍵を握っていることを知らなければならない。

 神の栄光を高めるような詩人を志したジョン・ミルトンも、盲目ゆえに一層すぐれた詩を書き、後年には『失楽園』、『複楽園』、詩劇『闘志サムソン』を出版している。

 ベートーヴェンは耳が聞こえなかったために、天才的な感性が一層研ぎ澄まされて、人々に感銘をもたらす音楽を作曲した。

 九十年代に活躍した大リーグのジム・アボット投手は、片腕だけでも野球はできると信じていた。見事にやってのけたアボット投手は、世界中の身障者に勇気と希望を与えた。

 米海兵隊の寄宿舎のホールの壁には、このような文が掲げられているという。「吾々は困難なことはすぐにやってのける。不可能なことは少し時間がかかるだけだ」。

 自分の弱点に嘆き、過去を呪い、自己憐憫(れんびん)に明け暮れる生き方ほど暗黒なものはない。

 見えない、聞こえない、話せない。この三重苦という鋼鉄の壁に取り囲まれた暗闇の中で、光を見出し、世界中の人々に愛と感動をもたらした奇跡の人ヘレン・ケラーは、懐疑の波が自分をさらっていこうとし、付近に自分を助ける者がいないとき、第一に彼女が慰藉を求めていくのが『聖書』であった。

 『聖書』にはびっくり仰天するようなエネルギーと、真理、そして神の深い愛が綴られていることを、ヘレン・ケラーは熟知していたのである。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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