苦楽歳時記
vol141 お持ち帰り寿司専門店
2015-04-02
ガーデナの『栄寿司』は、お持ち帰り寿司専門店の老舗。包装紙には鼓の絵をあしらい、折り詰めの箱をひもでくくるところが、いかにも風流だ。
メニューは箱寿司のサバとエビ。のり太巻き、タマゴ太巻き、いなり寿司、カリフォルニアロールの六種類。ミニマム七個。好きな種類と数だけオーダーできる。セットメニューもある。
近畿地方の郷土料理、大阪寿司(箱寿司・押し寿司)が味わうことができる。いなり揚げが関西風味。アメリカでは珍しい、いなりの形が三角で、酢飯の仕込みがまろやかだから食が進む。
太巻きの具は薄口仕立てで、桜デンブの味が酢飯と綯い交ぜになって、旨味を引き出してくれる。大阪寿司に醤油とワサビは御法度だ。
少し残念なことは、バッテラに白板昆布(バッテラ昆布)が、上に重ねていないこと。
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SUSHI MORI-ZO(森蔵・マルカイ・トーランス店内)は、にぎりのネタが分厚くて驚いた。これも繁盛させる一つの手段だ。
にぎり十二カンの「にぎりスペシャル」。僕はイカ、タマゴ、ウニは入れてもらわないで、その代わり別の好きなネタを入れてもらう。森オーナーの臨機応変な対応が清々しい。
キャッチフレーズは、新鮮な素材を圧倒的なボリュームで彩る。毎日仕入れる新鮮な生マグロを使用。
巻物も丼物もパーティプレートも充実している。『森蔵』自慢の「海鮮丼」と「特選ちらし丼」も味わい深い。本日のランチは、「トロサーモン丼」(十ドル)に決定。
春爛漫の公園に立ち寄って、寿司ランチをするのも趣があると思う。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

