後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第309回 〝冬眠人間″と火星移住計画
2015-01-22
〝冬眠びと″を火星に移住させよ!NASAと宇宙産業の冬眠旅行作戦が始まっている。
鼻孔から冷却剤を吸入、冬眠状態の人々を六ヵ月かけて火星に移住させるプロジェクト。
目が覚めたら火星に着いていた、SFを地で行く旅程だ。六ヵ月の飛行時間を退屈しないですむし、その間年もとらない。
研究のさ中だが、F1ドライバー、M・シューマッハの治療にも使われていた。奇跡が起きた。
頭部を強打、こん睡状態に陥っていた彼は六ヵ月後、冬眠から目を覚ました。今の技術で人を冬眠させても六、七日しかもたないのに・・。
一昨年のこと、雪に埋もれた車のなかでスウエーデン男性が意識不明に陥った。食事を摂らず二ヵ月生きて助け出された。
外気は零下一二度、体温は三一度、奇跡の冬眠状態にあったという。
哺乳類十八目(もく)約四千七十種中、冬眠するのは百八十三種。
厳冬の約百日を熊は冬眠するが、哺乳動物のなかには五ヵ月、七ヵ月、冬眠する例もある。
冬眠中の熊は体温を約三五度に保っている。代謝を減らし食べ物の乏しい冬を乗り切るためだ。
三七~三九度が平温だからあまり体温変化はないが、代謝を四分の一に、心拍数を五五回から九回に落としている。冬眠生理のヒントになる。
人類が目指す火星の表面積は地球の二八%に過ぎないが、陸地面積は地球とほぼ同じ。
大気は地球の○・七%、真空に近い。主成分は二酸化炭素、地球の五十二倍という。
地球の半分程度しか太陽光は来ない。
表面の平均温度は零下四三度、重装備を怠ると二○秒で失神、一分以内に死に至る。
それでも水星、木星、金星、月より人の生存に向いている。NASAが宇宙産業と協力、火星移住を目指す理由だ。
今日、地球の人口は七十一億八千万人、毎年約八千万人増えている。
二七年に八十億人、四五年に九十億人となり地球の限界人口に近づいている。今世紀後半にも冬眠人間の火星移住が本格化する。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

