キム・ホンソンの三味一体
Vol41 いつもと違う年、いつもと変わらない年
2015-01-29
また新しい年がやってきました。子供がいなかった時は、たとえ新年といえども元旦が過ぎるとなんとなく同じような繰り返しに過ぎないと感じていました。しかし、4歳児と10ヶ月の双子がいる我が家では、猛スピードに成長し続ける子供達のおかげ(?)で、一年どころか下手すると一週間ですらも同じ繰り返しにはならない毎日を過ごしています。
そのような変化の日々だからこそ、家長の私が「自分の言葉を大事にする」「みんな平等」というルールを決めて、家族に守ることを奨励しています。当たり前なことですが、例えば「子供と約束したことは(「必ず」に限りなく近い「出来るだけ」という意味で)守る」、また同時に子供達にも自分の言葉を大事にすることを教えようとしています。今のところ4歳の娘にだけ適用中ですが、例えば「これ食べたい」と言って食べ始めたものは最後まで食べることや、遊びたいと言って遊び始めたオモチャはちゃんと片付けてから次のオモチャを広げるなど、子供側にも要求していくポリシーです。「みんな平等」に関しては、3人すべてに同じだけ愛情を平等に注ぐといったこれまた当たり前なことです。子供達の間でもお姉さんだからとか逆に末っ子だからといって威張ることは許されません。
ところで10ヶ月になる我が家の双子ボーイズは、弟の方がお兄ちゃんよりずっと大きく力も強いので、いつもお兄ちゃんの方が弟にオモチャを取られたり髪の毛を引っ張られたりして泣かされています。我々が「やめなさい!」と大声で叱っても弟は悪びれもせずいつもニコッと微笑み返します。
しかし、先日のことです。なんとお兄ちゃんが弟の攻撃をかわし反撃に出て、弟が大泣きになりました。私達夫婦が「お兄ちゃん、やる時はやるじゃないか!」と笑って見ていた時です。今月で4歳と6ヶ月になる娘が「かみのけひっぱるのは悪いことよ。だめ!」とお兄ちゃんの方をたしなめました。自分達の目から見て弱い方を応援したつもりでも、悪いことを褒めるのは良くなかったと反省しました。「そもそも家長としてハウスルールを決めたこと自体....」と今年もいつものように反省の多い年になりそうです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。








