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コラム

苦楽歳時記
vol130 数え方

2015-01-22

 今年は未年にちなんで「羊数え」の話をする。夜、眠れないときに、羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹と数えたりするが、あるときふと疑問に思ったことがある。羊を数える場合には「頭」であるべきだ。と思ったが、世俗的な数え方については、「匹」でも「頭」でもどちらでもよいのだろう。 

 一般的には小さな動物には「匹」を使い、大きな動物には「頭」を使うと習ったはずだ。昆虫学の学術書を閲覧していると、種類、大きさなどに関係がなくほとんどが「頭」であった。

 「羊数え」の発祥地はイギリスだが、羊という動物は欧州の人々にとっては身近な家畜である。広い草原で群れる羊たちの光景は、さしずめイギリスにおいては田舎の田園風景そのものである。元来イギリスでは、家畜などの獣にたいして数をかぞえる場合、「頭」を単位としていた。

 「羊数え」の始まりは、羊飼いが羊を数えているうちに眠くなってしまったという説と、眠れなかった人が自分に向かって、「sleep sleep眠れ、眠れ」とつぶやいているうちに、やがて眠くなってくると「sheep羊」に変化していった。一字違いであるからsleep がsheepに聞こえたのであろう。

 家畜を数える睡眠方法は、十七世紀前半からあったという。ミゲル・デ・セルバンテスが『ドンキホーテ』の中で、山羊を数える睡眠方法について書き記している。

 話は変わるが、イカの数え方が面白い。イカが泳いでいるとき「匹」。水揚げされたとき「杯」。食材として使われるとき「本」。干されたとき「枚」。活造りにされたとき「盛」。一度に数匹釣れたれたとき「苛」。十匹束ねられたとき「連」。イカのにぎり鮨は「貫」。

 魚の数え方は、泳いでいるとき「匹」、店頭に並んだとき「尾」。マグロやカツオのなどの大きい魚は、「本」。タイ、ヒラメ、カレイは、「枚」。サケ、ニシンは、「石(こく)」。イカ、タコは、「杯」。シラウオやサヨリなどの繊細な魚は、「条」、「筋」。貝類は、「貝(バイ)」。アワビは、「杯」。ウニは、「壺」。クジラ、イルカは、「頭」。コイは、「折」。ウナギは、「羽(わ)」。タラコは、「腹」。

 神様にも数え方の単位がある。昔から木には神様が宿ると言われていたので、神様を数える単位は「柱」。「柱」は日本古来の神や神体、神像、また遺骨を算(かぞ)える語。(新明解第五版)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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