今月の庭仕事
Lesson126「剪定と病害虫」について
2014-11-12
9月に南加庭園業連盟が行った野菜と果樹のセミナーで、病害虫の話をすることになり、乏しい知識の再確認におわれました。知らないことだらけ。自分が何を知らないか、知っただけも良い勉強になりました。
日本語のサイトや果樹の本を見ると、個々の果樹の剪定の仕方、病気の種類、害虫の種類や生態など、いろいろな情報を得ることができます。さて、菌は、どういう状態で、越冬するのでしょうか? 病気の場合、菌の状態で木のどこに付着して生息しているのでしょうか?
答えは、枝の病班中や剪定の終わった木の枝に残っている芽に付着して越冬します。害虫の場合は、卵の状態、幼虫の状態、成虫の状態があります。枝や幹の表面(幹の表面がツルツルでない場合は、粗皮下)、枝の切り口、枝の分かれ目部分、大枝を切った跡にできる樹皮の割れ目、枯れ枝、落葉した葉などと場所もいろいろです。
落葉樹の剪定ですが、葉がすべて落葉するので、必要な枝、不必要な枝(枝の途中からまっすぐ垂直に伸びている枝、幹に向かっている枝、同じ方向に向かって伸びているが交差してしまっている枝など樹形を乱す枝)を、ひと目で確認することができます。来年実の生る芽を確認しながら、剪定することも大切ですが、まずはそこの場所に適した大きさも考えながら、剪定することも大切です。
木は大きくなりすぎると、いろいろな弊害が発生します。周囲のプラントの成長を阻害したり、収穫しにくくなったり、病害虫対策の薬剤散布をしにくくなったり、剪定しにくくなったりなどが考えられます。来年、美味しい果実を収穫することを思い浮かべながら、ぜひ木の前に立ちましょう。
しかし、この時点でもう一つ難題が横たわっています。セミナーで、枝の剪定の仕方(個々の果樹によって違う)は習ったはずなのに…どこを切ったら良いのか分からない自分に気付くはずです。たぶんこの段階で剪定を止めてしまいそうになる人が続出すると思います。その時は今年の惨状を思い出してください。葉は萎縮し、変色し、葉の裏側には、害虫が繁殖し、薬剤をいくら散布しても効果がなかったことを…。剪定をしなかったために悪循環に陥ってしまいますので、この悪循環を断ち切るための第一歩が剪定だと思い直して、とにかく習ったことを冷静に思い出して剪定を始めましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟メンバーの新垣安徳さん。自分の失敗例や成功例など豊富な経験を元にコラムを執筆。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

