Alice in WINEderland
vol.66 Sister Winery
2014-11-05
オーパス・ワンが、フランス五大シャトーの一つであるムートン・ロートシルトの血を引くということは、既に多くの人に知られているが、カリフォルニアには、その他にもヨーロッパに本家を有する「シスターワイナリー」が沢山存在している。
ドメーヌ・カルネロスは、フランスの老舗シャンパンハウス、テタンジェのナパ版。かつて繊細なスタイルのスパークリングワインが少なかった米国で、優良なシャンパンスタイルのワインを生産することを目的に一家が長年の調査を経てたどり着ついたのが、ナパの中でも冷涼な地域として知られるカルネロスだった。ワイナリーはヨーロッパのお城のような見た目で、絶景の写真スポットでもある。ワイナリーに訪れた際は、濃厚で高級感の漂うLate Disgorged Brut Cuvéeのラインを是非お試しを。
また、ソノマには、スペインのスパークリングワインの最大手、フレシネが経営するグロリア・フェレール。コスト・パフォーマンスが高く、スーパーでも15ドル前後と非常に買い求めやすい価格設定で、普段使いにぴったり。個人的には、奥行きがあるBlanc de Noirsを特にお勧めししたい。
また、スティル・ワインの部門では、最近レストランへの進出が目立っている、イタリアの名門アンティノリのナパ版、アンティカが見逃せない。名前のアンティカ(Antica)は「Antinori of California」の略で、葡萄の品種はカリフォルニアの主要品種を主とするものの、エレガントなスタイルはどことなく本家を思わすものがある。すっきりタイプのシャルドネは、多種多様な食事と相性が良い。
最後に、パソロブレスのタブラス・クリークをご紹介。こちらは、仏ローヌ地方の老舗、シャトー・ボーカステルのパソ版である。ワイナリーには本家に纏わる資料が沢山展示され、ローヌ特有の品種、特にグルナッシュとシラーの栽培に力を入れている。この地域にしてはややハイエンドな値段 設定ではあるが、落ち着いたスタイルとバランスの良さから、ワイン通の間でも人気が高まりつつある。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

