苦楽歳時記
vol111 野菜
2014-08-28
家の近くの公園で遊んでいる子供たちに、好きな野菜と嫌いな野菜について尋ねてみた。年長の女の子が「わたしメロン大好き」と言ったら、年下の十歳くらいの男の子が、「メロンはフルーツだよ」と、すかさず切り返した。
スーパーマーケットでは、メロンは果物のコーナーで売られている。周囲の子供たちもメロンはフルーツだと言う。年長の女の子は、メロンはベジタブルだと言い張った。
野菜と果物の区別は、食事の副食として食べる物は野菜で、食後の嗜好品として食べる物が果物である。随分あいまいな識別方法だ。
この他に一年草にできる物を野菜、多年草にできる物を果物とする仕分け方がある。それによると、イチゴ、スイカなども野菜に分類される。
前菜で食べる生ハムメロンは野菜になるが、メロンはデザートの主役格なので果物だ。さりとて一年草でもあるから、やはりメロンは野菜に属するのか。
メロンの語源はギリシャ語のmelopepon(りんごのようなうり)。古代エジプトではメロンの栽培が盛んであったそうだが、太古よりメロンを野菜に区分すべきか、果物にするかで、有識者を悩ましつづけて現代に至っている。
現代人は睡眠不足、運動不足、そして野菜不足だと言われて久しい。野菜サラダはそんなに多くの量は摂取できない。ならば、野菜スープはどうだろう。
野菜スープは身体に良いと聞く。キャベツ、セロリ、ニンジン、トマト、パプリカ、大根の六種類の野菜を使って、コンブ、カツオ節、鶏ガラの三種類の出汁で作る。味付けは天然塩とショウガだけ。これだけで脂肪燃焼野菜スープのできあがり。
好みに応じてニンニクを入れるのもよい。ニンニク、ショウガ、大根、鶏ガラ(鶏肉)は免疫力を高めてくれる。
健康に気遣ってか、あるいはダイエットのためにサラダバーをよく利用している米国人を観察していると、ドレッシングはふんだんにかけるし、食後のスイーツには目が無いようだ。これでは本末転倒である。
明後日、八月三十一日は野菜(八、三、一)の日。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

