Alice in WINEderland
vol.61 Wine Media
2014-07-10
「ワイン有力誌が語る」や「ワイン評論家が高く評価する」という文面をよく目にしますが、具体的に何を意味するのでしょうか。今回は、ワイン選びのヒントとなる米国内のワインメディア3社をご紹介:①Wine Spectator、②Wine Enthusiast、③Wine Advocate。
①は、旬のワインやワイナリー・ストーリーを得意とし、毎年公表する「Top 100 Wines」リスト はトレンドメーカーとなっている。また、レストランのワインリストを評価するRestaurant Wine List Award を開催しており、毎年3,500件以上がこの賞に応募している。最高の賞であるGrand Awardを獲得したレストランは、これまで世界で72件のみ。余談ではあるが、このGrand Awardに輝くためには、各レストランは、1,500以上のワインの種類を常備している必要がある。オンライン情報も充実しており、フリー・コンテンツも多々あるため、要チェック。
②は、ワインに関連するライフスタイルを中心とした情報発信をしており、食べ物とのペアリングに関するアドバイスや、ワインに合うレシピが充実している。毎年「America's 100 Best Wine Restaurants」を公表しており、前述の①と比べ、実際の数字より、お料理とのペアリング、また話題性などを評価の対象にしている。ウェブでは、特集されたワインやワインアクセサリーを購入できるオンラインショップと連携している。
最後に、③は、紛れもなく、ワインの評論専門集団であり、ワインの評価を数字化した最初のメディアともされている。創設者のロバート・パーカー氏については、ワイン通であればだれもが耳にしたことがあるであろう。ワインオークションの価格は、ロバート・パーカー氏の評価に左右されるなど、業界での影響力は絶大である。
上記は、それぞれWS、WE、WAと省略され、100点満点評価(例:WS100)が付くワインはすぐに売り切れるなど、大きなセールス指針となっている。なお、点数はワインの品質を保証するのか、という議論があるが、最近は個人的な意見に偏らないよう、化学分析も応用しているため、信憑性が高いと言える。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

