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コラム

現代社会ド突き通信
第五回 ハイブリッド文学・唐 亜明様

2014-08-08

 また他の時はアメリカから日本に帰ってその日とか翌日ぐらいまでは電話に出てもハローということがよくあります。側の人がそれを聞いて、まあ彼女はぶっているなんて批判することがありますが、これはぶっているのではなくて生理学上の現象なのです。ですからわたしが小説を書くときはすーっと頭に浮かんでくる、わたしとして自然であると思う言葉、英語でも日本語(大阪弁)でも遣うようにしています。なにもきざだとかというものではありません。わたしの言葉なんですから…。
 言葉の変化はコントロールできないものだと思います。言葉は生き物で、常時変化して行っています。一日に何万機という飛行機が飛び回って人を運んでいるのですから、異国人同志の結婚も増え、言葉だけ変わらないということはないと思います。近い将来は英語をベースにしていろんな言語が混じったのが国際語になるのではないでしょうか?
 その後何年か経つと今度は中国語とアラビア語をベースにして他国語が混ざったものが国際語になるでしょう。 今のアメリカの会話にはイタリア語、イエデイッシュ、スペイン語、日本語、フランス語、ドイツ語があっちこっちに入っています。
文章をいかに美しく書くかとか、上流階級の遣う言葉で上品に書くかを重要視し、下卑た言葉でも内容のある心の訴えのあるものを日本では重要視しない傾向があります。わたしから見ると、いくら上品に完璧だと一部の人に思われる文章で書いてあっても、人のものを真似たり、その主旨が卑しかったり、権力におもねっていては卑しく見えると思うのですが…。美しい日本語を書けということは、東京の上流階級が遣っている言葉で書けということなのでしょうか?
 それ以外はオーセンテイックでないということなのでしょうか?一体誰がそれを決めるのでしょう? それ以外はアンプリンタブルというカテゴリーに入るのでしょうか? 
 滑らかな詩的な長い叙述でポピュラーだったトーマス・ウルフの作品をフォークナーが「行間から怖ろしい秘密が滲み出ている」と言いました。  日本にもこんなのが多くありますが、誰も言わない。自分の感性を信じて自分に正直に讀めば誰でも分かることですよね。
 でも雑音が入り過ぎて多くの日本人には真実が分からなくなっているのです。人間にとって重要なことを一生懸命に伝えようとしていると、どんな稚拙な文章や場末の言葉で書いた文章でも、それが自分の言葉であり真実を告げていれば、中身のない上流階級の言葉より美しく感じるのではないでしょうか?
 確かに日本語文学が必要です。
 70年代にそういうのがあればわたしも15年も待たなくてもよかったんです。  ではお元気で、


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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