今月の庭仕事
Lesson117 「自家製堆肥」と窒素について
2014-06-11
みなさんのトマト、キュウリ、ナスビのご機嫌いかがですか?私のは地植えですが調子はまあまあです。私は、土壌改良剤(グローマルチが主体+牛糞・ステアマヌアー)を入れて機械で耕やして均一に混ぜ合わせました。これで水の浸透が均一なり(地表面が平らという条件)、野菜も水に溶けた肥料成分を吸収しやすくなります。ところで、みなさんは“自家製堆肥”を使っていますか。土壌改良と言って大量に使用していませんか。販売されている肥料と違い、自家製堆肥には、窒素、燐酸、カリ、その他の微量要素がどのくらい含まれているのか分からないのですから、使用の際には、自家製堆肥を製造しているコンテナの底の方にある黒くなった完熟堆肥を使用しましょう。
さて、窒素をいっぱい入れれば早く大きくなると勘違いしていらっしゃる方はいませんか。窒素過多の状態を作り出して、ひどい目にあった方が必ずいると思います。私もそうでした。芝生の場合、1000平方フィートあたり2ポンドのアクチャルナイトロジェン(散布した直接の量ではなく、窒素が含まれる%から換算した量)で十分です。窒素含有量46%のユレアナイトロジェン(尿素)なら、散布した量の約半分がアクチャルの量になるので4ポンドを散布すれば、2ポンドのアクチャルナイトロジェンを散布したことになります。ちなみに窒素含有量16%の肥料の場合は10ポンド散布すればよいというです。
三大要素の一つである窒素は、葉や地上部分の伸長に必要な要素で、生育初期の細胞分裂の盛んな時期に多く必要です。ときどき、異常に伸びたり、葉も異常に大きくなり、色も濃緑色になった状態を目にします。このような状態の時、実はあまりできません。ではどうすればいいでしょうか。
水をたくさんあげて窒素を流失させる方法もありますが、根ぐされする危険の方が大きいです。植物は根から吸収した窒素と光合成で作り出したエネルギーを使い、でんぷんや糖質を作り成長します。そこで、500倍に薄めた酢を葉面散布すると、光合成で作り出されるエネルギーの代わりとなって、窒素の利用を促進するそうです。結果的に土壌中の窒素は減ります。葉菜類などは、この状態では葉の中に硝酸体窒素という形で含まれているので、苦味が増すとのことです。“多すぎる窒素の場所が地中から葉中へ移動しただけ”ではありますが、地中の窒素を減少させることはできます。くれぐれも窒素過多に陥らないようにしましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟メンバーの新垣安徳さん。自分の失敗例や成功例など豊富な経験を元にコラムを執筆。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

