後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第275回 クリントン家かブッシュ家か
2014-05-20
二○一六年の大統領選に出馬する有力候補に、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官、共和党はジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の名前が挙がっています。
NBCテレビとウォールST・ジャーナルの調べによると、ヒラリーさんの支持率と不支持率はそれぞれ四八%、三二%、ジェブさんは二一%、三二%。
仮にガチンコ対決したら、ヒラリーさん五三%、ジェブさん四一%のヒラリーさん圧勝で、米史上初の女性大統領が誕生します。
オバマ現大統領と前回接戦を演じて民主党候補を逃したヒラリーさんには待望の朗報です。
一方のジェブさんは何とも複雑な気持ちです。というのも母親バーバラさんが息子の出馬に反対しているからです。
ジョージ・H・Wブッシュ元大統領の妻でもあるバーバラさんは昨年、ジェブさんの出馬うわさに「もうたくさん」と胸の内を吐露。
「ブッシュ家はもう嫌」と米国民の六九%も彼女に賛同しています。
今春のABCテレビとの会見で、彼女はジェブさんの去就について「偉大な国・米国で、大統領など高官への立候補者が家族二、三の出身者以外に見いだせないとしたら、バカげている」ともいいました。
仮にジェブさんがヒラリーさんとの闘いを制したら、三十年足らずの間にブッシュ家は三人の大統領(四一代、四三代、四五代)を輩出することになるのです。
米大統領という世界一の重職を妻や母として支える側には、「もううんざり」という心情なのかもしれません。あるいは「ヒラリーには負けるから出ないほうがいいよ」という親心なのかもしれません。
史上、血筋の繋がる大統領には二代、六代のジョン・アダムス親子と二十六代セオドア・ルーズベルト、三十二代フランクリン・ルーズベルト叔父甥の二組います。
仮にヒラリーさんが当選すれば四十二代の夫ビルと共に夫婦の大統領が誕生します。
米国には日本を「世襲大国」と責める資格などもうありません。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

