今月の庭仕事
Lesson 114「野菜セミナー」での質問と回答についてpart2
2014-04-30
前回に続いて、3月30日に行われた南加庭園業連盟と南カリフォルニア昭和会とが共催した「野菜セミナー」でいただいた質問について説明します。
Q1 堆肥はどのように作りますか。
堆肥の作り方には、一定した作り方があるわけではありません。基本的には、秋の落ち葉、刈った芝生、生け垣の剪定くず、台所の生ごみなどの有機物を、植物に与えてもちょうど良いほどに腐らせた物といえるでしょう。
おそらく堆肥を作るのに一番向いてる材料が秋の落ち葉でしょう。理由として、まず量があって同じ時に作り始めることができ、また同じ時にできあがるからです。これは大事なことで、畑にまいても作る野菜に、同じ効果が期待できます。
堆肥を作るためには、材料にある程度の量が必要です。堆肥の量が足りないと、途中で注ぎ足さないといけなくなり、こうなると堆肥の山の場所によっては、その腐り具合が違ってきてしまいます。これを畑に撒くと微生物によって分解され、野菜に有効な栄養分が出てきますが、野菜に拾われる栄養分の量に差ができます。その結果、野菜の成長にむらができます。このような腐敗度のむらをなくすためには、腐る過程を一様にする必要があります。
秋の落ち葉は、堆肥には非常に良い材料ですが、落ち葉を分解する微生物が必要とする窒素分が少ないので、それを補うのに鶏ふんや青い草、垣根剪定のクズなどを混ぜて窒素源にします。もちろん店で売ってるアンモニアなども量に注意しながらやれば、問題はないでしょう。
刈った青い芝生などを混ぜるときは、材料にもよりますが、枯れ葉の1/2から1/3ほどの比率でやったらいいと思います。多すぎるとベチャベチャに固まってしまいます。
堆肥の山が冷めてきたら、切り返すことが大事です。全体を同じように腐らせるための大事な点です。更に、堆肥の山がある程度大きくなってきたら、新しい山を築き始めてください。いつまでも同じ山に材料を入れ続けると、いつまで経っても使えません。ある程度の高さになったら新しい山を始めてください。なお、堆肥の山にはビニールシートなどを使って、カバーしておくと早く熟成します。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

