今月の庭仕事
Lesson 113「野菜セミナー」での質問と回答について
2014-04-16
3月30日に行われた南加庭園業連盟と南カリフォルニア昭和会とが共催した「野菜セミナー」ではたくさんの質問をいただきました。今回は、そのなかのいくつかの質問について説明します。
Q1 野菜を植えるのに、どれ位の深さまで土を耕せば良いですか。
A1 植える野菜によっても深さは違いますし、土のタイプによっても違います。土を耕す目的は、作る野菜の根が広がる範囲と深さを収容できる大きさを作ることと、水はけができる大きさを根に与えるために行います。ですから、作る野菜の根の広さ、深さ、水はけを頭に置きながら作業することが大事です。
根は酸素の不足している水分(いわゆる「水はけが悪いこと」と同意語)では成長しません。参考に、ごぼう、人参、大根、えんどうなどの根の広がりと深さを考えれば明らかです。
Q2 土のタイプにおける耕し方を教えてください。
A2 水はけの良い砂地のような土壌では、水はけのことは心配ありませんよね。この場合は、根の広さと深さを考えれば十分です。砂地のような土壌では、水はけが良すぎることを考慮して、基肥、追肥、水やりの頻度を増やす必要があります。
では、粘土タイプの土壌ではどうなるでしょうか。水はけ不足の改良が、一番大きな課題になるでしょう。この場合は、砂(粗い川砂)や堆肥などの有機物を入れて、より良い土壌に仕上げると野菜はよく育ちます。
耕すことが時間的、また体力的に無理な人は、ブロックなどを使ってプランターを作ると、この問題は解決されます。
Q3 小さな鉢に2〜3本の苗が入っているときがあります。これはそのまま植えてもいいですか。
A3 このような苗は、苗を作ってる人が、種がうまく発芽しなかったときのため、種を余分に植えたために2〜3本発芽したのです。
2〜3本の苗が入っている鉢を買った場合、土に植えた時点で、または、2〜3日後に、1本だけ残して切りましょう。引き抜くと、残りの苗の根を傷める可能性があるので、ハサミなどを使いましょう。
2〜3本をそのまま植えることもできますが、葉が混み合い、病気や害虫が発生しやすい環境になります。風通しの減少、日光不足、それに栄養分の取り合いなどを考えると1本にした方が安全でしょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

