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コラム

苦楽歳時記
vol94 お茶の話

2014-05-01

♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る・・・

茶摘みの時節は産地によって異なるが、東海地方では八十八夜前後の、四月下旬から五月下旬にかけて行われる。

「一番茶摘みて畑小屋水もなし」(石川桂郎)、四月下旬に芽摘みしたものを一番茶と呼ぶが、その味わいは格別で最上だ。

日本からの来客が次から次へと訪れると、わが家の台所の棚は、たちまち各地の日本茶であふれてしまう。

その代わり、訪客を観光地へ案内するのは昔取った杵柄(きねづか)で、お茶の子さいさいである。

「お茶の子」とは、茶菓子の意であるらしい。お茶を飲みながらであれば、菓子類がいくらでも腹にはいることから、何の苦も無く簡単にやってのける様子を表している。

その後に、俗謡の「のんこさいさい」という囃子詞(はやしことば)を結びつけて、テンポのある語調が広まった。

チャイナタウンにある行きつけのレストランで食事をする際に、必ず注文するのがプーアールに菊の花をブレンドしたコッポウ茶。仕上げに、特製の搾菜(ザーサイ)でお茶漬けをするのが慣わしになっている。

ひところ味わったお茶漬けで、忘れがたいものが幾つかある。中学生のときによく食べたカツ茶漬け。岩屋(淡路島)で食した鯛茶漬け。うなぎの蒲焼きをのせたうなぎ茶漬け。僕の大好物のクサヤ茶漬け。

「駿河路や はなたちばなも 茶のにをひ」(松尾芭蕉)

五月には、初摘み新茶が市場に並ぶ。新芽がふくらみはじめ、これから一気に成長しようとする短期間に、黒いネットをかぶせて育てたお茶を、「かぶせ茶」という。二次加工を一切施さない「あら茶」のままの「かぶせ煎茶」の滋味は、至福一服! 詳細はWWW.obubu.com。

きょう、五月二日は『緑茶の日』。

 


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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