HIS2

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

コラム

現代社会ド突き通信
第六回 1945年以来核に怯えていた私

2014-04-04

 市民団体の見方も厳しい。原発のあるサン・ルイ・オビスポの母親平和の会のロシェル・ベッカーは、「日本政府も米国政府のように国民の安全を守ろうとしないのねえ。核科学者は政府や企業から研究費を貰っているので人々の安全性を守っているようにみせかけて、実際は研究を奨励している。NRCも同じ。 将来? 企業が金儲けできる限り存続するでしょう。でもスリーマイル島の事故で人々は安全でないことを知ったので、今後は政府からバックアップを受けることは出来ないし、安全性を確保するには建設費が莫大になり採算が合わないから1970年代末から原発の建設が中止になったのです。他の熱源に変えるべきよ」。
 友人のシンシア・ラザロフ(反核活動家,投獄3回、テレビ・ドキュメンタリー・ドラマ「ヒロシマ」のプロデユーサー、母親)は「人的ミスと核廃棄物の放射能汚染を除くことが不可能である限り、核燃料を遣うべきでない」と、言っている。

 原子力施設で間違いが起これば日本だけでなく世界が瞬間的か漸次に全滅する可能性がある。それほど危険な物質を扱わせている政府が、厳密な規格を設け、絶えず点検しているのなら話は別であるが、JCOに7年間も検査に行っていなかった怠慢さ、無責任さに呆然とする。
 この事故が起こったのは米国のエネルギー省長官リチャードソンがロシアを訪れていた時で、「すぐにロシアと米国から共同の緊急チームを送る用意がある」と日本政府に伝えたが、日本政府は情報のみを求めてきただけだと、「NYタイムズ」「LAタイムズ」紙(10月1日付け)にあった。
 前述のように米国の原子力関係者は日本が事故の情報の公開をしていないので苛立っていることは確かである。「日本政府は面子を先にして物事を隠蔽する。人類の危険なんて気にしていない」と外から見られる方がよっぽどみっともない。また、上役が間違っていてもそれを指摘できない日本の縦関係重視の社会(敬語メンタリテイ)は、黒白が明白な科学の社会にとって最も危険なことであることを絶えず念頭に置く必要がある。たとえばエイズウイルスHIVの時も、上司の誤りを指摘できず薬害被害が拡大したことを忘れてはならない。
 米国では14の大きな原発と14の小さな原子炉が既に閉鎖された。新たな原発の建設計画はない。スウエーデンの政策も原発廃止に向かい、1999年11月30日、第1号としてバルセベック1号炉を解体した。
 それなのに日本では、女川3号炉、志賀2号炉、浜岡5号炉の三基の原発が現在建設中で、更なる建設計画も持ち上がっている。
 『タイム』誌に「廣島と長崎の悲痛な記憶がまだある、地震が殆どのこの国が未だに核燃料に頼っている」と書いてあった。しかも、その上にとても狭い土地と過剰な人口、何もかも政府任せで自ら知る権利を放棄した人達ー。知識を得て行動を起すことで自分を守れるのだということが分からないらしい。外国に住んでいる私から見ていると、日本の原子力政策は狂気の沙汰としか言いようが無い。
自分の判断で自分の行動を決めるとき、大切なものは報道だ。私たちは正確な情報を得ることに、より強い欲望を持たなければならないし、日本政府も今後正確な情報を出していく努力をしなくては国民の信頼はとても得られない。
 

 ここまで10年前の私がかいたことを引用してきて、果たしてアメリカの原発施設や核研究所が前に引用した彼等の言葉のように安全なのだろうか?と疑い出しました。というのは、あのニューメキシ州のロス・アラモス核研究所の3マイルの所まで、山火事が広がっていっているというのです。あそこには武器に使おうとしている核廃棄物がいっぱいあります。もう一つはネブラスカのカルフーの原発のある河が氾濫していて危険です。専門家は福島の時と同じように曖昧で安全だとテレビで言っているが信用できません。

 また日本のメディアがいままで原発について批判させないことは経験で知っていましたが、実際、メディアが原発の会社から広告料という大金、百万単位を貰っているのを聞いて驚いたのです。この地震の直前に、丁度3月出版の号に、果たしてこれも掲載を断られるかもと渡した原稿、私がダンスのクラスで会ったネヴァダで原爆実験のモルモットになった男の話しをある女性誌は掲載すると言いました。その後すぐ、そこの編集長から電話があり「東電の広告を載せるとミリオンと貰える話が出ているのだけれど、米谷さんどう思います?」と、訊ねられました。
 「これはあくまでも私の意見で、あなたの雑誌なのだから、あなたが決めるべきよ。私はね、東電の、殊に原子炉の広告を載せている雑誌や新聞を見るたびに、その雑誌の上の人の知能程度を疑ってました。人の命に危険をもたらすものの宣伝をよく平気で載せるとね。あの広告に出ている作家とか学者とかの生活態度や知能を疑います。新興宗教の広告を出しているのより程度が低い。風車や太陽パネルを作っている会社の広告のほうがずっとスマートにみえるわ」
 と、私の意見を述べたのでした。
 次の日、編集長は広告を断ったと言ってきました。その一週間後にあの東北大震災、福島原発の惨事が起こったのです。その人は広告を断って上司から褒めてもらったと言いました。

 あんな大金が広告料として入るから、メディアが自分たちの都合の良いような説明しかしない専門家たちとぐるになって、自分たちの本命を果たしていなかったことになります。折角テレビやラジオ、新聞紙面を持っているのに関わらずです。 (つづく)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
Facebook   Twieet

米谷ふみ子




[ 人気の記事 ]

第230回 碧い目が見た雅子妃の嘘と真

第249回 尻軽女はどこの国に多いか

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 後編

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー① アメリカについてよく知ることが大切

第265回 天才と秀才、凡才の違い

第208回 日本と北部中国に多い下戸

第227回 グレンデールに抗議しよう

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 前編

第173回 あなたの顔の好みは?

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組4月B Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA CCT 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ