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コラム

苦楽歳時記
vol84 聖書 

2014-02-21

「あなたの気持ちは痛いほど解ります」。と言う人がいるが、人の気持ちはそんなに簡単に解るものではない。心根の苦しみなどは解らないはずだ。
最近にわかに不安に落ち込むことがある。末期癌で右半身麻痺の身体で、生きていても仕方がないと自暴自棄に陥る。
そんな折、僕よりも状況が酷くて頑張っている人の姿をまのあたりにすると奮い立たされる。振起されるのは束の間で、うたた奈落の底へと落ちていく。
僕は中学二年生のときに登校拒否が始まって、医師からは「うつ病」と診断された。四十年以上も前のことであるので往時においては、殆どの人が「うつ病」の病名すらも知らなかった時代だ。
僕は今も「うつ病」の持病を抱えているので、まれに抗うつ剤と精神安定剤を服用している。過去に自害しようとした苦い経験をもち、二十代で生死の境目を二度彷徨(さまよ)った。
僕がうつ状態に陥り、僕ひとり家に残して出かける際に、家人は心配でたまらないという。
死に神にとりつかれると、冷静に考える暇もなく一気に絶命へと駆り立てられる。藁(わら)にもすがりたいと焦慮(しょうりょ)するとき、一心不乱になって聖書を読む。懸命になって祈る。心を尽くして賛美する。

「恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。」(聖書より) 

「艱難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出すことを、知っているからである。そして、希望は失望に終わることはない。」(聖書より)

「神はそのひとり子を賜ったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」(聖書より)

この闘病の体験は、僕にとって気魂の財産なのだ。

僕は生命(いのち)ある限り、「信仰と希望と愛」の鎧(よろい)を身にまとい、いつも喜んで人生を歩んでみたい。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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