今月の庭仕事
Lesson108 家庭菜園の土作り
2014-02-04
そろそろ春蒔き野菜、または植え付けの準備に入って良い頃になりました。いつも強調するのですが、強調しすぎると言うことがないのが「土作り」です。もちろん作物によっての差異はありますが、「土を良くして間違いだ」ということは聞いたことがないですね。
では、どうすればいい土になるかといえば、前にもお話したことがあるのですが、ほとんどの野菜は土の中に酸素が必要です。ということは、土の粒子の間に酸素の含まれる空気が必要です。
では、どうしたらその空気が入れられるかというと堆肥などの有機物や、無機物のバーミキュライト、パーライトなどを土の中に鋤き込み、少し粗めの土にします。粘土質の土、いわゆる雨が降るとベタベタ、お日様が長くあたるとカチカチになるタイプの土には非常に大事な作業になります。
どれくらい入れるかというと耕してたっぷり水をやり、2、3日経ってからその上を歩いて少しフカフカに感じるくらいが適当でしょう。フカフカにする深さは野菜の根が十分張っても少し余裕があるべきですね。
この点を考えると大根、ごぼう、人参などの根菜類には深く耕さねばなりません。では、水をやるとすぐ見ている間に失くなる砂地では大気が入り過ぎてすぐ乾くので、それを制限するために上記の有機物をを入れて、いい土にします。
こうすれば、あげた水も土の中によく入ります。ということは、土のその水に溶けた肥料分も深く運ばれて、野菜の根がそれを吸収し、野菜が元気に育つことにつながります。それと、土をそのような状態にすると、温かい空気が地面野中まで入り地面の温度が上がります。
私たちはあまり考えないことですが、春先に植える野菜類に非常に大事な一面です。プロの野菜作りは土を暖かくするためにビニィールなどで植える場所をカバーします。耕されていない粘土質の土は長いこと冷たいですね。何故かというと、水分が小さな隙間を通ってーいわゆる毛細管現象でー地面に出てきて蒸発します。その時に周りの熱を奪います。庭に撒く打ち水と同じ現象です。鉢植えの場合は水はけを良くするために鉢穴を荒いものでカバーしてください。
さあ、これまで、お話したことを考えながら励みましょう。
■コラムニスト:南加庭園業連盟2014年会計で会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。日系テレビNTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」でも講師を務めた経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。