NikkanSAN_TopBanner_2023-05-07

ロサンゼルスの求人、クラシファイド、地元情報など

日刊サンはロサンゼルスの日本語新聞です。 記事は毎日更新、求人、クラシファイドは毎週木曜5時更新。

コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第260回 何が本物で何が偽物か!

2014-02-04

豪州牛を和牛、ブラックタイガーを車えび、一般野菜を有機野菜と・・。日本の高級ホテルの数々のメニュー偽装。
「うまけりゃいいんじゃない」。この手の開き直りほど身勝手はありません。偽装表記に乗せられたお客は黙って請求料金に応じています。騙されたとも知らないで。
画家エミリア・デ・ホーリー(一九○六~七六年)の名前をご存じか。
ハンガリーの贋作画家で、ピカソ、マティス、モジリアニ、ルノワールを得意としていました。
通称「贋作の天才」で、騙しの確信犯でした。
彼の贋作被害は欧米だけにとどまりません。日本の国立西洋美術館もしてやられた口です。
一九六四年、画商ルガロの誘いにのってドランの「ロンドン橋」、デュフィの「アンジェ湾」、モジリアニのデッサンを購入したけれど、いずれもホーリーの贋作でした。
たまたま訪日中のフランス文化相、アンドレ・マルローがこれらの絵を観て「なぜこんな優れた作品が日本に流れたのか」とコメント。
マルローは名にしおう目利き。そのマルローをも騙した出来栄えに同館はコロリ、当時のお金三千万円を投じて買い上げたそうです。

盗まれた作品が発見されたり、贋作扱いが本物と見直されたりすることも珍しくありません。
米バージニア州のある女性のケース。ノミ市で七㌦で求めた箱いっぱいのガラクタに、思いがけないお宝が混じっていました。
 印象派の巨匠、ルノワールの「セーヌ河畔の風景」(一四X二三㌢)と題された油絵で、一九二六年、米収集家の手に渡っていました。
 しかしボルチモア美術館に貸し出された五一年の盗難事件で、行方不明になっていました。
 次はオランダ。ゴッホ美術館がこれまで贋作と軽視していた「モンマジュールの夕暮れ」(七二X九三㌢)を「本物」と公表。
傑作「ひまわり」と同じ一八八八年の制作だそうです。
 神の判断ができない私たち人間は絶えず、モノの真偽を巡って右往左往しています。
 


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
Facebook   Twieet

後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

後藤さんに聞きたい事、取り上げてもらいたい事、質問等はこちら

jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




[ 人気の記事 ]

第230回 碧い目が見た雅子妃の嘘と真

第249回 尻軽女はどこの国に多いか

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 後編

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー① アメリカについてよく知ることが大切

第265回 天才と秀才、凡才の違い

第208回 日本と北部中国に多い下戸

第227回 グレンデールに抗議しよう

特別インタビュー アシュラムセンター主幹牧師・榎本恵氏 前編

第173回 あなたの顔の好みは?

NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切



最新のクラシファイド 定期購読
JFC International Inc Cosmos Grace 新撰組3月 Parexel pspinc ロサンゼルスのWEB制作(デザイン/開発/SEO)はSOTO-MEDIA 撃退コロナ音頭 サボテンブラザーズ 





ページトップへ