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コラム

キム・ホンソンの三味一体
Vol29 多様性を楽しむ

2014-01-30

 ロサンゼルスの特徴は、なんといっても約140もの人種や言語が集まる「人種のるつぼ」であると言われます。娘が通っているプレスクールでも、色々なバックグラウンドを持つ人々のグループ、例えば、白人はもちろん、日系、 韓国系、ベトナム系などのさまざまな子供たちが一つのクラスで学んでいます。学校では同じ英語で学んでいても、違う文化や外見という「違い」ゆえにコミュニケーションがうまくいかないのではと思いがちですが、実際は親御さんたちを含めて違う者同士仲良くできていることがたくさんあります。
 複数の多民族グループが同じクラスに通っている場合、年に何度か親も参加する合同ポットラックが開催されることがよくあるようです。親御さんたちはポットラックを通してそれぞれの異なった料理を楽しみながらお互いを喜び合い交流を深めるのです。ちなみに娘が通うプレスクールの先生たちが一番楽しみにしている行事は合同ポットラックだと言っていました。
 日系のお家からはスパム・ムスビがよく出ます。これはスパムと呼ばれる米軍の軍糧食のハムを軽く焼いて塩飯の上に乗せ、海苔で巻いて作る日系人独自の文化が生んだ素朴で美味しい特製おにぎりのことです。韓国系はやはりお肉料理が中心で、中でもLAカルビといわれる骨付きカルビのバーベーキュー料理をよく出してくれます。以前、ベトナム系親御さんたちのグループが、自分で好きな麺や具をスープに入れて食べるビュッフェスタイルのフォーを出していました。

 学校のような小さなコミュニティに限らず、このようにさまざまな人種や民族のグループが共存する社会は、時としてお互いを不安にさせる「違い」にさらされながらも、それらを上手に楽しむことでお互いを理解し合えるチャンスも与えられている気がします。人種、民族、宗教等の「違い」を諸悪の根源とするような考え方がはびこるような今日であっても、それを排斥や対立の口実ではなく、敬意を払いながら楽しむべき多様性として捉える社会、これこそが私たちの世界に今一番必要とされるものではないだろうか、と新年合同ポットラックのお料理の良い匂いが漂うなか飛び交う多言語を聞きながら、ふと思いました。
 ちなみに今月で3歳と6ヶ月になる娘の好物はおにぎりとキムチチャーハンで、そして母親譲りの無類の炭水化物好きです。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

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