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コラム

苦楽歳時記
Vol. 80 詩の作曲

2014-01-24

十三、四年前に、ジャズ・ピアニストのアーク佐野さんが、僕の書いた詩『赤いブルー』を読まれて、佐野さんが感じたイメージで作曲してくださった。
アーク佐野ファースト・アルバム、『Let’s Listen To It』に「Red Blue」として収録されている。実に見事な、いぶし銀のバラードに仕上がっていた。
今は無きパサデナのジャズ・クラブ『ブルーノート』で、アーク佐野トリオが出演している際に、初めてライブで「レッドブルー」を聴いた。
     ◆
『赤いブルー』
部屋の中に独りとじこもって/いつものように空想し始めると/ふと/自分の中に/背の高い/二等辺三角形の鳥を見ることがある

大観衆の青い空間にいたかと思うと/山脈の森の中で/ズゥンムズ/ズゥンムズ/女になって泣く

鳥を見たいのか/鳴き声を聞きたいのか/僕にはわからない

ただ/部屋の中に独りとじこもって/空想し始めると/背の高い/二等辺三角形の鳥は/女になって/ズゥンムズ/ズゥンムズ 

赤く濡れる
     ◆
同じことを、フラメンコ・ギタリストの田中保世さんにも、僕の詩『生きる』を読んでもらって、ホセさんの感じたままに、イメージを膨らませて現在作曲をしてもらっている。フラメンコ風の『生きる』を聴くのがとても楽しみだ。
     ◆
『生きる』
赤よりもはるかに赤い/燃えるような漆黒の赤いバラ/ブラックよりもはるかに黒い/戦慄する緋のコーヒー

俺は二十七時六十四分前に目覚めて/仕事をする/狂ったように

大きなカラスが血を吐くように/狂ったように/仕事をする
俺は病にむしばまれて奇形になっても/黒い血を吐き/狂ったように/狂ったように

紅く/生きる
    


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新井雅之

文芸誌、新聞、同人雑誌などに、詩、エッセイ、文芸評論、書評を寄稿。末期癌、ストロークの後遺症で闘病生活。総合芸術誌『ARTISTIC』元編集長。




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