今月の庭仕事
Lesson 107 「アメリカ西部の砂漠地帯を走るときに感じる不思議な風景」
2014-01-22
野菜など植え付けるのには少し早いので、今回は少し脇道にそれて私がいつもアメリカ西部の砂漠地帯を走るときに感じる不思議な風景について書いてみます。読者のみなさんも一緒に考えてもらえれば面白い課題になるでしょう。
この風景は誰でも目にするのですが、私たちの思考はあまり深く考えません。なんのことかというと砂漠に点在する植物の間隔、または距離のことです。
例えば、ヤッカやサボテン、樫の木など、ある程度の距離を保ちながら生きています。決してくっつきあって生えておりません。樫の木などは南カリフォルニアの小さな丘などに点在して見事な風景を見せてくれます。この状況がはっきりわかるのが、カリフォルニアからアリゾナに旅するときに見える大きな人が立ったように見えるサボテンです。あちこちに生えているけど群がってはいません。そこに生えてるから種が落ちて近くに小さな同じ種類の子供サボテンがあるかというと、そうでもないです。周りには違った種類の植物があります。なぜでしょうか。これが今日のトピックです。
以前の野菜セミナーのときに連作障害について語りました。だいたい3つある原因の中に、根から毒素が出されて障害が起こるというものがありました。他の2つはいわゆる病害虫、あるいは特別な栄養分の不足によるものでした。しかし、この現象は、もっと「種の保存」に関連しているような気がします。つまり強い自分が生き延びて次代につなげる自然の法則のような気がしてなりません。
「アレッ、では周りに他の植物が生えてても大丈夫なの?」と思いますよね。それは同じ栄養分の取り合い、同じ病害虫による被害などができにくいから我慢できるということでしょうか。
以上が私の推察ですが、読者のみなさんはどうですか。
これと同じようなことが動物の世界にあり、例えばお猿さんなども強いボスを持って群れを作っています。さて私たち人間社会では?と考えて見ますと、なんだか同じ様な風景が浮かんでくるのは私だけでしょうか?
■コラムニスト:南加庭園業連盟2014年会計で会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。日系テレビNTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」でも講師を務めた経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。