後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第259回 日本が核武装している、と中国
2014-01-29
「日本が密かに核武装をしているぞ」。中国軍の機関紙「解放軍報」がこう報じています。
日本の使用済み核燃料再処理施設は毎年九㌧の兵器級プルトニウムを生産しています。
これで米国並みの二千発の核兵器が造れるそうです。
この事実をもとに「日本はすでに一メガ㌧前後の核爆発装置二~五個を生産したか、製造中の可能性がある」とし、「北朝鮮、イランとは比較にならない脅威だ」と警戒しているのです。
広島、長崎に落とされた原爆はTNT火薬二○㌔㌧と同規模だから、一メガ㌧前後の核は広島、長崎級の約五十倍の破壊力ということになります。
自民党の石破幹事長はかつて「核燃料の再処理により一定期間、核兵器の製造が可能になるので、潜在的核抑止力になる」と語ったことがあります。
非核三原則を守る被爆国の日本が仮に核武装に舵を切れば、即、核大国になれるのです。
中国は靖国参拝などタカ派路線を行く安倍首相の言動にいらだっています。
共産党機関紙、人民日報は「安倍は戦犯だった祖父(岸信介元首相)のDNAを受け継いでいる」と舌打ちしています。
国営の中国新聞網は「安倍のいう強国とは再軍備、新国家とは平和憲法の改正を意味する。中国を念頭に置いた発言で、北東アジアの平和を脅かすものだ」としています。
現在、核兵器をもっているのは、核拡散防止条約の批准国、米国、ロシア、英国、フランス、中国の五ヵ国と条約を批准していないインド、パキスタン、北朝鮮三ヵ国の合わせて八ヵ国です。
このほか核兵器をもっているのでは、と疑惑の目でみられている国にイスラエル、イラン、シリア、ミャンマーなどがあります。
私たちは今、薄氷を踏む世界に生きています。
各々一万個以上の核爆弾をもつ米国とロシアが戦火を開くだけで、人類は滅びます。
爆弾の祖ダイナマイトを造り、儲けた金銭を充てたノーベル賞の対象分野に、科学と共に〝平和″を入れたのは何とも皮肉です。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

